技術・適用情報

軽量コンクリート・軽量骨材

軽量コンクリートの遮音性能

はじめに

軽量コンクリートはその軽さ故に普通コンクリートと比較して、軽量化ができる、断熱性に優れるなどの特徴があります。では、遮音性能についてはどうでしょうか?集合住宅、マンション等、人の住居となる建築物においては、種々雑多な生活音の発生が居住者間のトラブルの原因となることも多いようです。近年では床そのものの遮音性能よりも、パイプスペース等から発生する騒音が問題となるケースも多いようです。床そのものの遮音性能(重量 衝撃音)については、以下の様なデータが得られています。

測定例

下図は、関西圏にある某集合住宅を対象に、居室形態、面積、スラブ厚さならびに梁せい等の躯体条件が全く同一な条件下で、実測した重量床衝撃音の代表的データです。
この図からも判りますように、軽量コンクリートと普通コンクリートのレベル差は僅かであり、スラブ厚さ170mmでは、遮音等級もL-55(全てのオクターブバンドの衝撃音レベル値がL-55の基準線以下)と普通コンクリートと同一クラスとなります。

測定方法:JIS A 1418(建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法)-2(重量 床衝撃)

重量床衝撃音の代表的データ
重量床衝撃音の代表的データ

住宅性能表示制度による重量衝撃音遮音対策等級

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が平成12年4月より施行されました。
品質表示項目中、音環境に関する品質表示については唯一「選択」となっていますが、今後ますます床の遮音性能への要求が高まることが予想されます。
公営住宅(SRC造14階建・7階の柱以上に軽量コンクリート使用)の床スラブに使用した軽量コンクリート躯体が、国土交通省から住宅品質確保法による、品質性能表示制度で官報告示による遮音性能3等級の『特別評価方法認定書』を平成14年5月に認可されております。
床厚170・180mmの重量床衝撃音が普通コンクリートとほぼ同等の遮音性能を持つと認められました。
[セメント新聞 2002.6.24 にも紹介されています]

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