- 業種
- IT
- 年商/従業員
- 年商200億円、従業員数400名
- 対象
- 本社
- 期間
- 3ヶ月
- ビッグバンでの導入を3ヶ月で実現
- 短期導入のポイント
- 三井金属グループで実際に稼働している内容がテンプレート化されているため、高い完成度と自由度を誇っていたこと
- 「短期間でシステム導入する」という経営層の強い意志とプロジェクトリーダーのリーダーシップがあったから
- 旧来のシステムに固執せず、テンプレートの特性を存分に活用したこと
デジタル時代を展望したAVとIT全般を手がける企業へと“変身”したソニーブロードバンドソリューションは、SAPを使った新システムをスピーディーに実現させた。プロジェクト担当者は全員兼務という体制にもかかわらず短期間で導入できた理由として、リアルモデルの存在が見逃せない。
業務内容の変化に対応した情報インフラの整備が急務
企業の業務内容が変わるとシステムもそれに対応することが必要になる。スピードや既存システムとの整合性ももちろん必要だ。ソニーシステムサービスを母体とし、ソニー、ソニーマーケティング、伊藤忠テクノサイエンス、シーティーシー・テクノロジーが出資して2001年4月に誕生したソニーブロードバンドソリューションもまさしくそうした課題に直面していた。
ソニーシステムサービス時代の業務は、業務用AV機器などのメンテナンスが主だったが、新会社ではAVとITを活用したソリューションビジネス全般を提供する企業へと大きく“変身”を遂げた。それに伴い「ソリューション企業としての情報インフラを、できるだけ短期間で構築すること」が急務だったのである。
同社はこうした緊急の課題を解決するために、「既存システムを拡張」、「システムを新たに構築」、「ERPパッケージを導入」という3つのケースを想定して検討を進めた。
既存の業務システムを活かそうとすると、システム変更に膨大な工数がかかり、ハードウェアも追加投資が必要になる。「そこまでして既存システムに固執するメリットはない」ということになった。また、オリジナルの業務システムを新たに立ち上げるには、費用や時間の面で現実的とはいえない。その結果、現実的な方向性として浮上したのが、ERPパッケージの導入であり、それもまったく新しい形、「テンプレート」での導入を検討することになった。
即戦力として活用できる完成度の高いテンプレート方式
いくつかのERPパッケージとテンプレートをセットにした検討が始まった。結果、基幹アプリケーションとして、国内ERP導入実績No.1を誇っていたSAPをベースとしたテンプレート「リアルモデル」の導入を決定。その選定理由は、三井金属企業グループ約60社で実際に稼働しているシステムのノウハウの結集であるリアルモデルは、SAPのテンプレートが少なかった2001年の導入期当時から高い完成度と自由度を誇っていたからだ。情報インフラの整備を急務としていた同社は2001年8月、リアルモデルの採用を決定し、SAP導入プロジェクトを発足させた。
プロジェクトには10名のスタッフが参加したが、いずれも各部署との兼任。専任制をとれないという不安も当然あったが、当時としては異例とも言える3ヶ月でのSAP導入を実現した。
プロジェクトの推進に"安心"加えるリアルモデル
それを実現した背景には、「短期間にシステムを導入する」という経営層の強い意志とプロジェクトリーダーのリーダーシップがあったのはもちろんだが、リアルモデルの存在も見逃せない。
実際、当時の担当者はリアルモデルを使えば「最初からできると思っていました」と振り返る。会計システムは本来企業間での差は少なく、むしろ実際に稼働しているシステムをベースにしているテンプレートを使えるという安心感のほうが強かった、とも付け加える。加えて「旧来のシステムに固執せず、テンプレートの特性を存分に活用したことが、成功の秘訣でした」と当時のプロジェクトリーダーは指摘する。
同社のSAP導入を成功に導く上でリアルモデルが果たした役割は極めて大きかったのである。
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