奥飛騨だより

最終号 これまで目を通していただき、ありがとうございます

最終号

2008年1月から奥飛騨だよりの掲載を始めました。最初は「石の上にも三年」で、三年間続けようとの目標が、五年、十年と続けることができました。 特に飛騨出身の方から、楽しく読んでいますとの声をいただき、大変励みとなりました。 楽しみとしていた方には申し訳なく思いますが、2020年度を区切りとして完了することを決めました。この「最終号」をもって、閉じることにいたします。

最後は、神岡町のキャッチコピー「星の便りの届く町」「宇宙に一番近い夢の郷」をお伝えしたいと思います。

2019年5月号で「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」のオープンを記事にしました。

カミオカラボ全景

カミオカラボ全景

カミオカラボ入口

カミオカラボ入口

2019年3月27日にオープンしてからその年の12月までに121,980人が来場し、「星の便りの届く町」「宇宙に一番近い夢の郷」神岡町を、多くの方に知っていただきうれしい限りです。 世界最高精度の重力波観測装置「KAGRA(かぐら)」も2020年2月25日から本格的な観測となる連続運転を開始しました。 更に小柴昌俊先生の2002年ノーベル物理学賞受賞の元となった「カミオカンデ」、 梶田隆章先生の2015年度ノーベル物理学賞受賞の元となった「スーパーカミオカンデ」に続く「ハイパーカミオカンデ」計画が正式に開始され、2027年の実験開始を目指します。

カミオカンデシリーズは円筒形のタンクに不純物がない超純水を貯めるのですが、体積が大きくなっています。 ハイパーの水量はスーパーの10倍です。したがってスーパーの10年分の観測データをハイパーでは1年間で集めることができます。 10年に1回しか観測できないことが毎年観測できるようになります。

スーパーカミオカンデとKAGRAは同じ山の下、山頂から約1Kmの地下に作られていますが、ハイパーカミオカンデはかなり離れた場所の地下を予定しています。 近くで土木工事があるとKAGRAの実験ができないからです。KAGRAの実験精度は地球と太陽の距離(約1.5億Km)が水素原子1個分(約1千万分の1mm)程度伸び縮みする小ささを測定します。 周囲の振動は測定の大敵なのです。

ハイパーカミオカンデは何もない山中に建設するので、工事のための道路整備から始め、現在は電気を通したところです。 北陸電力の神岡営業所長の話では、「電気を通すために3.2kmの距離の640本の立木を伐採し、80本の電柱を立てた」とのことでした。

KAGRAで3つ目のノーベル賞、ハイパーカミオカンデで4つ目が受賞できることを町民は願っています。

カミオカラボでは3月1日から5月2日まで、「はやぶさ2の贈り物~小惑星リュウグウについてわかったこと~」のパネルを展示しています。 岐阜かがみはら航空宇宙博物館が作成したパネルを借り受け“レンタルそらはくカミオカラボ企画展示”として、はやぶさ2の科学的成果を解説しています。

はやぶさ2のインパクタ実験(衝突装置で小惑星表面に人工的なクレーターを作る)の試験は神岡で行われました。

科学者のサイン

科学者のサイン

はやぶさ2のパネル

はやぶさ2のパネル

最後は隣接するお土産売場からです。「東大宇宙線グッズ」コーナーの売上の一部は「東京大学宇宙線研究所若手支援基金」に寄付されます。 それにふるさと納税での「東京大学宇宙線研究所との連携事業」を目的とした寄付も加え、飛騨市は2019年10月8日に東京大学稷門賞を受賞しました。 稷門(しょくもん)賞は寄付やボランティア活動などを通じて、東京大学の活動の発展に大きく貢献した個人・法人又は団体に感謝の意を表す表彰です。

東大宇宙線グッズコーナー

東大宇宙線グッズコーナー

グッズ各種

グッズ各種

神岡町にみえたら、または通過する時でも結構ですので、ぜひカミオカラボにお立ち寄りください。

■ひだ宇宙科学館カミオカラボ - 飛騨市公式ウェブサイト
 https://www.city.hida.gifu.jp/site/kamiokalab/

■ひだ宇宙科学館カミオカラボ - YouTubeチャンネル
 https://www.youtube.com/c/kamiokalab

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