


昨年度のJOGMECプロジェクトの成果により、廃小型電子・電気機器からタンタルコンデンサを物理選別にて効率良く回収できる見通しがついた。これに基づき研究チームは4月から「タンタルコンデンサからタンタルを回収する技術の開発」を実施している。
こちらは総合研究所の松崎健嗣リーダーが担当。つまりレアメタルでは総研施設内にある実験設備を使い、拝生チームと松崎チームの2チームが並行して走っていることになる。
拝生チームの研究がレアメタル全般の回収なのに対し、松崎チームの研究対象はレアメタルの一種、タンタルのみ。また対象となる“原料”も前者が携帯電話で、後者のそれはPCや通信サーバー、音響機器など据置型機器の電子基板という違いがある。
というのも「たとえば携帯を200台集めても回収できるタンタルはわずか3グラムほど。携帯だけでは現在のところ経済合理性の面で対応できない」(拝生)という事情があるのだ。
また松崎チームの研究テーマがタンタルに絞り込まれているのには、大きく二つの要因がある。一つ目は世界最大のタンタル生産国であるオーストラリアの鉱山が06年、08年末に相次いで生産休止したことにより、将来的に需給がひっ迫し価格高騰が想定されること。二つ目に三井金属はわが国で唯一タンタル精製工場(三池レアメタル工場)をもっており、その精製設備と技術がリサイクル設備へ応用可能という優位性があったことだ。
「総研としては、可能な限り不純物を取り除くことで、既存の工程で精製できる純度までもっていきたい。現在は化学的処理の検討段階。微量不純物の除去技術確立が次の課題ですね」(松崎)