


海外調達ネットワークで先行するMKR。国内での原料調達の仕組みも、同業他社のそれとはスタイルを異にする。競合他社が自前で中間処理工場を運営するのに対し、三井金属グループにはその手の自社施設はない。つまり既存のリサイクル工場から調達することで、ライバル関係になることを避け、多くのリサイクル業者を味方につける作戦だ。
「というのもリサイクルでは量の確保、シェア拡大が重要です。もちろん製錬所側のキャパもありますから、処理コストと有用金属の含有量を見て、その後ターゲットを絞り込んでいくわけですがね」
太田が狙う今後有望なターゲットは三つ。「一つ目は、先ほど述べた情報機器系基板、ニつ目は家電系基板です。三つ目は……、うーんこれは秘密です、いま営業活動の真っ最中なんですよ」と笑う。家電リサイクル法(01年)や自動車リサイクル法(05年)などの法律施行によって、メーカー側の意識も変わった。設計段階からリサイクルが容易な構造や材料を選ぶようになった。レアメタルについてはまだ緒に就いたばかりだが、今後の展開次第では「小型家電の仕様面でメーカーに働きかけるケースが出てくるかもしれませんね」と太田は展望する。
レアメタルリサイクルプロジェクト――。関係者それぞれが、熱い思いや葛藤を抱えながら、各々の役割に邁進する。希少資源の再生という大きな流れは、そんな個々の積み重ねの上につくられていくのだろう。
天然鉱石を探査する構造地質の専門技術者として入社した私でしたが、ちょうどその頃スタートしたばかりの「スーパーカミオカンデ」(宇宙素粒子観測施設)の施工プロジェクトに参加。その後、NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)で地熱開発などに携わった後、10年前の環境リサイクル事業の立ち上げ時から、現職で頑張っています。働くフィールドは変わっても、やっていることは同じ。ただ原料調達先が、天然鉱石から都市鉱山に変わっただけ(笑)。この仕事、私の「天職」だと思っています。