もし、20年前の人たちが現代にタイムスリップしたら。いちばん驚くのは、スマートフォンではないでしょうか。手のひらサイズの端末で、動画が見られたり、写真が撮れたり。かつて空想の世界でしかありえなかったことが、今、現実となっている。それを実現したのが、「銅箔」です。電子機器に内蔵される精密回路。その配線材料として、三井金属の電解銅箔は使われています。1997年から開発を始め2003年に上市した、キャリア付き極薄電解銅箔「Micro Thin ™」は、世界シェア90%。通信速度向上や処理容量増大などのスマートフォンの進化を支えてきました。20年前には12μが最先端だった銅箔は、現在1.5μの薄さ。銅の使用量が減り、回路は細く、基板は薄くなり、製品自体のボリュームが減ったことで、今のような薄型、軽量のスマートフォンが生産できるようになったのです。

銅箔事業は、上尾事業所にて約50年の歴史があります。1995年に発表した樹脂付き銅箔(RCC)は、基板の小型化に大きく寄与。携帯電話の普及に大きな役割を果たしました。現在パソコン用などの汎用箔から、キャリア付き極薄電解銅箔を核とするハイエンド製品向けの高品位品、新製品への特化を加速しています。

「Micro Thin ™」は髪の毛の1/100という薄さ。様々な変動要因がある中、技術的な障壁は非常に高いですが、お客様の要望に応えるため、品質をハンドリングする。ここに、三井金属の強みがあります。
銅箔事業部が取り組んでいる開発テーマは「次世代」。スマートフォンのマザーボードは、現在10層板から12層板。通信速度をさらに上げるには、今の大きさ、薄さのまま、回路を高密度化することが求められます。最先端のサーバに使用される高速伝送用基板は現在30層板。次世代の高性能サーバ実現に向けて、現状の10Gbpsから25Gbpsへの進化、将来的には、世界中が光ファイバーでつながるような100Gbpsの転送速度への期待もあるでしょう。電装化が加速している自動車分野では、車両の衝突防止用ミリ波レーダー向け基板などにも採用が始まり、今後も更なる銅箔の進化を期待されています。


犬飼 明恵AKIYOSHI INUKAI

機能材料事業本部
銅箔事業部 生産企画部 上尾事業所 製造課 造箔係
2012年入社
理工学研究科 工業化学専攻 修了

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