奥飛騨だより

奥飛騨温泉郷 平湯温泉(2010.6月号)

2010年6月号

新緑の眩しい季節が飛騨にもようやく訪れました。同時に、北アルプスの山々には残雪が多く見られ、景観に彩りを添えてくれています。 夏と冬が同居したこの時期には、奥飛騨温泉郷 平湯温泉を訪れてみてはいかがでしょう。

平湯温泉は三井金属ユアソフト本社から約40分、高山市内に位置します。 温泉旅館が軒を連ねる市街地近くには大型の駐車場(あかんだな駐車場)があるため、 徒歩でも各温泉や平湯大滝・平湯大ネズコといった名所にアクセスすることが可能です(※平湯大滝すぐ近くにも専用駐車場はあります)。 また温泉街に隣接する平湯バスセンターからは乗鞍岳や上高地(長野県)へ向かうバスが出ていますから、平湯温泉だけでなく他の観光地の周遊をしたい方もご安心ください。

平湯の名所をご紹介します。まずは平湯大滝。飛騨地方には宇津江四十八滝をはじめ、数多くの名瀑がありますが、迫力ではこの平湯大滝が一番でしょう。 60メートル超の落差を誇るこの大滝は、危険防止のためビューポイントは滝からかなり離れた場所にあります。 しかし滝の方角からは水しぶきが風に乗って運ばれ、轟音も絶え間なく聞こえてきます。ずっと眺めていると、 圧倒されるというよりも、何か不安を煽られるような気持ちになる不思議な滝です。

平湯大滝横のキャンプ場から伸びる細い山道を400メートルほど進んだところに今度は樹齢1000年の大樹、平湯大ネズコがあります。 大ネズコの周囲には、来訪者に根を踏まれない為の配慮でしょうか、木製のデッキが組まれていました。 デッキ上にはベンチも拵えてあり、腰を落ち着けて大ネズコを眺めることができます。とはいえ、ここを訪れる人はそう多くはないようです。 比較的険しい山道が人を遠ざけているのかもしれません。

最後は温泉施設をご紹介。と言っても今回ご紹介するのは足湯です。豊富な湧出量を誇る平湯温泉には利用無料の足湯施設が点在しています。 足湯は平湯大滝付近や温泉街の中など、ちょうど名所を巡る道中にあり、気軽に立ち寄れるようになっています。 散策に疲れたら足湯で休憩、そんな使い方も出来ますし、足湯そのものを目的とした足湯巡りなども良いでしょう。 何れも名所旧跡が狭い範囲に集中している平湯温泉ならではの楽しみ方です。

今回ご紹介した以外にも平湯温泉には名所旧跡がまだまだ沢山あります。 また、秋には紅葉、冬には凍結した大滝と、訪れる季節によって景色も様変わりし、見る者を飽きさせません。是非一度足をお運びいただければ、と思います。

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