奥飛騨だより

三寺参り(2011.2月号)

2011年2月号

 今年もまた昨年に引き続いて、飛騨市古川町で開催されました、三寺参りの話題です。
冬の恒例となりましたこの催しは、毎年1月15日に開催され、市内三つの寺院(円光寺、真宗寺、本光寺)を巡拝します。

 例年、この時期には多くの観光客で賑わう古川町市街、この日は雪の舞い散る中、それでも数多くの人々が訪れていました。高さ2mに達するであろう雪のろうそくが、訪れる人々を幻想的に迎え入れてくれています。今年は雪不足が心配されていましたが、無事雪のろうそくも設置できた様です。

 三寺参りの由来の一つである本光寺は、天文元(1532)年に浄土真宗の宗祖である親鸞聖人により開かれた寺院です。明治三十七(1904)年に大火で全焼した後、大正二(1913)年に再建された、飛騨市最大の木造建造物です。山門前では参拝者が、所狭しにひしめく中、粛々と本堂へ向かって行く姿が伺えました。屋根にうっすらと積もる雪を眺めながら、飛騨の匠による建造物を眺めるのもまた一興ではないでしょうか。

 境内では気温が低いせいでしょうか? 時折、かがり火の前で暖をとりながら参拝される方々も数多く見受けられました。 舞い上がる炎の向うに、皆さんどんな願いをされているのでしょうか?

 今年は街中に、ろうそくだけではなく、かまくら等も設営されており、子供たちが楽しげに遊んでいる姿を見かける事もできました。寒い冬の中、かまくらの中で暖をとりながら温かい物を頂くのも風情があって良いですね。

 交通アクセスは、JRの場合、名古屋からJR高山本線特急で飛騨古川駅まで2時間35分、富山からであれば1時間20分です。お車の場合は、名古屋から東海北陸自動車道の飛騨清見ICから卯の花街道を経由して約2時間30分、富山から国道41号線で約1時間20分となります。
 冬の散策を兼ねて、一度は三寺参りにお越し頂いてみては如何でしょうか。

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