奥飛騨だより

白川郷ライトアップ(2011.3月号)

2011年1月号

 はじめまして。三井金属ユアソフト本社勤務、自称専属カメラマンのKです。
今月の奥飛騨だよりは「白川郷ライトアップ」を特集いたします。

<展望台からの全景>

<展望台からの全景>

 皆さんは白川郷に行かれたことはありますか? 白川郷は、岐阜県北西部の山村で富山県との県境に位置し、富山県の五箇山と共にユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録されています。弊社三井金属ユアソフトがあります神岡町からは、飛騨高山・東海北陸自動車道 飛騨清見ICを経由して約1時間半の場所にあります。
 白川郷の特徴は江戸中期から昭和初期までに茅葺き(かやぶき)を利用した切妻屋根(きりづまやね)が使われた合掌造りで、中には築300年の家屋もあるようです。合掌造りとは、屋根の形が手を合掌したときの様に急傾斜の山型に似ていることからこの名前がついています。
 もう一つの特徴が冬には積雪量200cmを超える豪雪地帯になることです。合掌造りで作られた屋根は積雪時の加重を支えるには適した構造だそうです。

 この時期の白川郷では夜間にライトアップがされており、白い雪面の上に浮かぶ合掌造りの風景を撮影してきました。

 白川郷は世界遺産として有名ですので年間を通して多くの観光客が訪れます。撮影スポットの場所取りが必要かもしれないと思って昼過ぎに出発しましたが、案の定、白川郷の全景を見渡せる展望台付近には既に場所取りをしているカメラマンがひしめき合っていました。
 私は飛騨地方出身にも関わらず白川郷を訪れたのは今回が始めてで、これほどの観光客が訪れていることには驚きです。さらに周りからは中国や韓国の声が聞こえて、国際色豊かな観光地でした。

<最大望遠で展望台付近を望む>

<最大望遠で展望台付近を望む>

<和田家>

<和田家>

<和田家天井裏>

<和田家天井裏>

 白川郷の『お約束』ともいえる「和田家」です。手前には観光客が作った雪だるまが立ち並んでいます。
和田家の建築時期は諸説ありますが、文化庁によると江戸時代末期で築300年と言われており、国の重要文化財に指定されています。当時は次男や三男が分家することが難しく、長男を中心として20人以上がこの家屋に住んでいたそうです。近くで見ると意外に大きな建物で、その中に20人も居住していたのは納得できます。合掌造りの屋根裏は、天井が高く、フロア面積は建物とほぼ同等になっています。
 これは、合掌造りの建築工法の特徴が現されたもので、一般的な家屋のように柱が乱立しません。この広い空間を2~4層に分け蚕の飼育場所として利用していました。

 ライトアップは17時半から19時まで実施されます。この日は日が沈んでからも気温が高かったためか霧が発生し、鮮明な写真を撮影できませんでしたが、ライトアップ用のスポットライトが拡散されて幻想的な風景を見ることが出来ました。

<白川郷全景ライトアップ>

<白川郷全景ライトアップ>

<和田家ライトアップ>

<和田家ライトアップ>

 天気の良い日はこのような風景が見られます。この日はライトアップ最終日でしたが、やはりこの日も観光客が多く、場所取りに苦労しました。 このように鮮明な風景が見られるのは気温がかなり低い日ですので、指先や足先は冷え切ってしまい、体を震わせながら撮影しました。

 今回は撮影時期が遅かったので雪が消えてしまったところがありましたが、雪が降り積もったばかりの1月中旬には一面白銀の世界を堪能することが出来ますが、白川郷は冬だけでなく年間を通して楽しませてくれます。私の意見としては初夏のひぐらしが鳴く頃に遊びに行かれることをお勧めします。その頃には青々と茂った木々や草花で彩られ、虫の音が心を落ち着かせてくれます。また、夕方近くになると山間部では特にひぐらしの鳴く声がよく聞こえるようになり感慨深くになります。今年はツーリングがてら再び白川郷に赴き、素敵な風景を撮影したいと思いました。
 皆様も是非白川郷に足を運んでみてください。日々の喧騒を忘れさせてくれるひと時をすごせると思います。

撮影したその他の写真はこちらからご覧いただけます。

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