奥飛騨だより

立山黒部アルペンルート・春(2012.6月号)

2012年6月号

 長い雪のシーズンも終わり飛騨地方は新緑の季節を迎えました。弊社の周りの山々はこの時期特有の力強い木々の芽吹きで溢れ自然の生命力を感じます。今回はGWに、以前(2010.10号)ご紹介した立山黒部アルペンルートに行ってきました。前回は夏季に訪れましたが今回は春です。
 私が住む富山市内から見る立山連峰はまだ雪に覆われ、初めて訪れる春のアルペンルートは夏季とは違った景色を見せてくれそうです。

 富山地方鉄道線の終着駅、立山駅(標高475m)がアルペンルートの富山側の起点となります。GW期間中の平日に訪れたせいか思ったより観光客が少なく待ち時間なしに移動できました。
 さあ出発です。ここから立山ケーブルカーに乗り平均勾配24度の急勾配をぐいぐいと登って行き美女平駅(標高977m)へ向かいます。

 美女平駅に着くと雪景色です。美女平駅からは立山高原バスに乗り室堂駅(標高2450m)へ一気に登って行きます。
この日はお天気にも恵まれ大自然のパノラマが車窓に広がり、途中には日本一の落差(350m)を誇る大瀑布【称名滝】を遠望できる滝見台などもあり約1時間の乗車時間はあっと言う間に過ぎて行きます。

 今回、訪問した一番の楽しみは高さ20mもの巨大な雪の壁がそびえ立つという【雪の大谷】です。この時期は雪の壁が連なる約500mの区間を歩行者天国として開放されており雪の壁の迫力を間近に感じる事が出来ます。標高が高くなるにつれて雪の壁がどんどん高くなり期待も高まりながら室堂に到着です。
 この日の最高地点の高さは17mもあり真下に行ってみると只々迫力に圧倒されます。皆様はどうやってこの道を作ったのか、なぜ倒れてこないのかなど気になりませんか?除雪はGPSで道を探し当てブルドーザーで表面をカンナで削り落とすように少しずつ掘り下げます。地表付近の雪は8.5トンもの重さで氷のように硬く押し固められているので途中から崩れないそうです。※バスの高さは約3mです。

 雪の大谷を満喫した後は室堂付近を散策しました。久しぶりに雪の上を歩く感触を楽しみ、360度どこを見ても真っ白な雪、真っ青な空、それを区切る美しい稜線を眺めているとちっぽけな自分は大自然に生かされているのだなとつくづく思わされます。
 室堂まで来たので黒部ダムまで足を延ばしてみました。まだ黒部湖の水は所々凍っておりエメラルドの湖面との彩は夏季とは違った趣を楽しませてくれます。それにしても何度来てもとても人間が作ったとは思えない巨大な建造物(ダム)は圧巻です。
 アルペンルートの帰りに途中から遠望した称名滝にも行ってきました。称名滝は立山駅から車で20分ほど走り駐車場に車を止め徒歩30分くらいで滝壺付近まで行けます。雪解けのこの時期は称名滝の右側に落差500mの【ハンノキ滝】も見る事が出来ます。

 皆様はGWをどの様に過ごされましたか?色々な観光地も楽しいですがたまには大自然に触れ合うのもいいものです。
来年のGWには是非春のアルペンルートにお越し下さい。


<立山黒部アルペンルート>
URL: http://www.alpen-route.com/

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