飛騨地方のお正月風物詩(花餅)
2014年1月号
新年明けましておめでとうございます。
今年も奥飛騨だよりをご贔屓にして頂ければ幸いです。今回は飛騨地方のお正月風物詩「花餅」についてご紹介致します。
昔は今と違い飛騨地方の冬は雪も多く寒さも厳しかったため、お正月に飾る生花もありませんでした。
そこで、切ってきた枝や切株に、搗き立てのお餅を花に見立てて飾り付けたものが「花餅」です。
かつては養蚕が盛んな飛騨地方で、繭玉を木の枝に付けてお正月飾りつかう風習もあったことから搗き立ての真っ白なお餅をつかいます。
以前(2011年1月号)ご紹介した「飛騨民芸村(飛騨の里)」で「花餅」作りを体験してきました。
体験当日は師走のある寒い日で施設内の池も一部凍っており泳いでいる鯉もとても寒そうでした。
体験当日の様子
体験会場
花餅作りを体験できる旧前田家へ行ってみるとスタッフの方が寒い中、花餅の元になるもち米をかまどで炊いていました。
かまどを使用しているのを初めて見たのでとても新鮮でこれから体験する花餅作りにワクワクし中へ入ってみると、これまた珍しい囲炉裏があり冷えた体を温めてくれました。
かまど
いろり
体験会場の中には飛騨の里内にあった楢の木、桜の木、栗の木などを使用した見事な枝ぶりの花餅株が所狭しと用意されていました。
体験の開始です。 先ずはスタッフの方が、かまどで炊いたばっかりのもち米を臼(うす)の中へ入れ下準備をしてくれました。
さあ餅つきから開始です。
花餅株
餅つき準備
餅つきも初めての体験でドキドキしながら杵を握りへっぴり腰ながらも臼へ向かい杵を振り下ろしました。
スタッフさんの合いの手が良く問題なく搗くことが出来ホッとしました。
しかし普段の運動不足から10回程、搗いただけでヘトヘトです。
搗き上がったお餅は花餅用に形を整えます。これで花餅作成の準備が整いました。
餅つき体験
餅を整える
花餅用の餅は細長く切り分けられており、それを花餅株の下の方から餅を伸ばしながら枝へ巻きつけて行きます。
下の方は大きく、上に行くほど間隔も狭めて行き小さくすると花らしく見えると教えて頂いたのですがこれが中々難しいのです。
慎重になりすぎると餅が硬くなってしまうので手際よく巻いていく必要があります。
我々が作った花餅は飛騨の里内の民家に飾られるとあって慎重かつ大胆に巻いていきました。
最後に枝を1本貰い自分たちで花餅を作りお土産に頂きました。
頂いた花餅は会社に飾っていますので機会があれば見て下さい。
花餅作り
お土産屋
今回はお餅(花餅)のご紹介でしたがもしかすると皆さんはお正月にお餅を食べすぎてもうお餅は見たくないと言う方もいらしゃるのではないかと思いますが飛騨の先人たちの思いを知って頂ければと思います。 因みに花餅の餅はお正月が過ぎると油で揚げて食べるそうです。