黒部峡谷トロッコ電車
2015年7月号
今年も梅雨の季節になりました。梅雨の時期はしとしと雨が何日も続くイメージでしたが最近は激しい雨が短時間に降るように感じます。皆様はどの様に思われますか。
今回は3月14日に開通した北陸新幹線の停車駅である、黒部宇奈月温泉駅に隣接する富山地方鉄道・新黒部駅から約25分で行ける黒部峡谷トロッコ電車をご紹介致します。
黒部峡谷トロッコ電車は立山黒部アルペンルートと並び富山県の代表的な観光スポットです。
アルペンルートは立山駅からケーブルカー・トロリーバス・ロープウェイなどを乗り継ぎ室堂・立山山頂・雪の大谷・黒四ダムなどを見学するコースです。
(2010年10月号、2012年06月号参照)
宇奈月駅(うなづきえき)
普通客車
黒部峡谷トロッコ電車は宇奈月駅から終点・欅平まで約80分(全長約20㎞・標高差約380m)をトロッコ電車に揺られ大自然の旅を楽しむ鉄道で今年は例年より1ヶ月程遅い5月28日に全線開通しました。
春の新緑・夏の清流・秋の紅葉といった四季折々の見どころが満載ですが今回は春の新緑をご紹介します。
先ず宇奈月駅のホームに入ると富山県出身の女優・室井滋さんによるアナウンスが迎えてくれて乗車中の見所などを詳しく説明してくれます。
トロッコ電車の客車は普通客車(オープン型)・リラックス客車(窓付)・特別客車(窓付)の3タイプありますが、開放感があり自然を肌で感じられるオープン型が人気の様です。
私が乗車した客車もオープン型でした。
運賃(片道)は宇奈月駅-欅平駅間で普通客車が大人1,710円で特別客車(+370円)、リラックス客車(+530円)は別途車両券が必要です。
乗車したのは6月初旬の晴れた日で暖かかったのですが、解放感がありすぎ走行中ずっと外気を受けていると、体温がどんどん奪われ、
終点につくころにはすっかり冷え切ってしまいました。「備えあれば憂いなし」観光地とはいえ自然を体験するにはそれなりの準備が必要です。
リラックス客車
特別客車
乗車中の見所は、ダム開発により通り道が無くなったお猿さんのために架けられたサル橋(運が良ければお猿さんが渡っている所が見えます)、 石仏に似た形の天然岩で入山者が安全を祈願したと言われる仏石(ほとけいし)、 入山者があまりの谷の深さに後ろに引き下がったことから名付けられた後曳橋(あとびきばし)は高さ60mもあり、 オープン客車から下を覗き込むと迫力満点、猫に追われたねずみもこの岩壁に阻まれ登れなかったねずみ返しの岩壁、 そのねずみを追い駆けていた猫もまた引き返すことから名づけられた猫又(ねこまた)などがあり、その名称もユニークなものばかりです。
サル橋
仏石
後曳橋
ねずみ返しの岩壁
宇奈月駅(標高224m)を出発してからの停車駅は黒薙駅(くろなぎ:標高326m)、鐘釣駅(かねつり:標高443m)、欅平駅(けやきだいら:標高599m)があり、 その周辺にも観光スポットがたくさんあります。黒薙駅を下車し徒歩約20分のところに黒部峡谷最古の露天風呂で宇奈月温泉の源流でもある黒薙温泉があります。 野趣あふれる露天風呂(混浴)をご紹介したかったのですが、おじ様たちが気持ちよさそうに入浴していたので写真は撮れませんでした。 旅館の方にお聞きしたところ男性は堂々と、女性は水着かバスタオルを巻いて入浴されるそうです。 宿泊も可能ですので一度は秘境の湯宿を体感したいものです。
黒薙温泉
鐘釣河原
鐘釣駅からは徒歩約20分で鐘釣河原に着きます。両岸から迫る断崖は春から初夏にかけては雪渓が残り、夏には清流の冷たさを楽しむことができます。
さらに清流のそばには温泉が湧き出ており足湯を楽しむこともできます。
またスコップで河原を掘ってお手製の露天風呂を作ることも出来るそうです。
終点の欅平駅には黒部川本流に架かる高さ34メートルの朱塗りの橋(奥鐘橋)から絶景を眺め、渡った先に岩壁を抉り取った歩道があります。
大きく口を開き、人を飲み込むように見えることから人喰岩と呼ばれています。
奥鐘橋
人喰岩
私が訪れた時は特別名勝特別天然記念物「猿飛峡(さるとびきょう)」への遊歩道など一部開通していないところがありました。
また駆け足で観光したため温泉にも入っていないので、是非違う季節にもう一度訪れたいと思います。
これから夏の清流、秋の紅葉が待っている黒部峡谷トロッコ電車に皆様も乗ってみませんか。
<黒部峡谷トロッコ電車>
http://www.kurotetu.co.jp/
<黒薙温泉旅館>
http://www.kuronagi.jp/