世界各地に支社を持つ三井金属グループにおいて、ICT化の推進を担っている三井金属ユアソフトの本社は、実は岐阜県飛騨市神岡町にある。鉱山の町として栄えた歴史を持ち、今も昭和レトロを感じられる町として不思議な魅力がある神岡……といえば聞こえはいいものの、実際にココで働きながら生活するとなるとどうなのだろう。「不便なんじゃないの?」「遊ぶ場所がないんじゃ?」など、感じる方も少なくないのではないか──。そこで今回は、実際に三井金属ユアソフト本社で働く社員に、取材班が“超”密着!リアルな一日の過ごし方や暮らしぶりだけでなく、地方で働くことをぶっちゃけどう思っているのかについても、ホンネで迫ってみたい。
今回密着するのは、入社歴1年目の三浦さん(2022年度新卒入社)。主に、三井金属のグループ会社に向けて業務で使用する各種システムの導入、運用、管理を行なっている三井金属ユアソフトにおいて、三浦さんはサイバー攻撃や各種問題に取り組む専門チームに属しており、システムセキュリティの強化や、社内規則を守ってもらうための方法の検討、実際の対策状況の管理などを担当しているという。
三浦さんはいつも車で出社するということなので、出社途中の駐車場で合流することにした。
お気に入りの愛車ハスラーで到着した三浦さんが、愛嬌たっぷりの笑顔でお出迎え。
待ち合わせ場所から会社までは20~30分程度とのことで、同乗させてもらうことに。
「じゃあ、さっそく行きましょうか!」
あっけらかんとした言葉とは裏腹に、目の前には凍結した道が……。
完全にビビッている取材班を安心させるように、
慣れた運転で慎重かつスムーズに進んでいく三浦さん。
「雪道を運転するのも、最初は不安でしたけど、さすがにもう慣れました(笑)。実は、入社したばかりの頃には会社の駐車場で先輩が運転の指導をしてくれたり、タイヤの交換を手伝ってくれたりもして。そもそも、天候が危ないなって時にはテレワークもできますし、先輩からもムリに出社しなくて大丈夫だからねっていつも声をかけてもらえますから、安心しています。ウチの会社って、本当に優しい先輩ばかりなんですよ」
どうやら、三浦さんはステキな先輩たちに恵まれているようだ。
その後の会社へ向かう道中。
「ここから見える景色が好きで」と、三浦さんがわざわざ車を停めてくれた場所があった。
「入社当初、ここ通った時にとっても感動したんです。自然ってこんなにキレイなんだなって。神岡は山が多い地域で、どの天候でも、どの季節でもキレイなので、全部フォトコレクションにしたいぐらいで。だんだんと慣れてはきましたけど、全然飽きてはいないですね」
通勤時間は、三浦さんにとっては神岡ならではの風景を楽しむ時間でもある様子。
毎朝こんな気持ちで通勤できるなんて、なんだか羨ましい。
いつもどおりの安全運転で、会社に到着。
まずは出勤ボードで、自分の名前のところを「出社」の色に変更するそう。
出勤ボードを変更したら、ロッカーで靴を履き替え。
外ではスノーブーツ、運転時はスニーカー、社内ではらくちんな内履き。
社員の安全のため、冬場の出社時はスノーブーツの着用が会社としても推奨されているのだとか。
そのままデスクについて業務がスタートするのかと思いきや、聞きなれた音楽が流れ始める。
一部の社員たちが立ち上がったと思いきや、ラジオ体操第一をスタート。
その中に、三浦さんの姿もあった。
「毎朝8:25から、有志の社員のみでラジオ体操をやっているんです。もちろん強制ではないんですけど、いざやってみるとスッキリするので、けっこうおすすめですよ!」とのこと。
そこに、突如表れたのが……
三井金属ユアソフトの採用HP「ONE DAY」にも登場している、先輩社員の佐藤さん!
実は、三浦さんの車のタイヤ交換を手伝ってくれたのも佐藤さんなのだとか。
佐藤さん、めっちゃいい人ですやん!
「採用HP、主役の座はまだ譲らん」と言わんばかりに、キレのある体操をみせる佐藤さん。
佐藤さん、めっちゃ愛され(いじられ)キャラですやん。
ラジオ体操が終わり、始業時間。
先ほどの和やかなムードから打って変わり、みなさん真剣な表情に。
三浦さんは朝イチの時間で、まずメールの確認やその日やることの整理などをするそう。
ニコニコとした表情とは一転、仕事モードに入る。
「休憩時間は、休憩スペースで、会社が契約している新聞を読んだりしながら過ごしてます」
少し休憩をはさむことで、より集中して業務に取り組めるようだ。
午前中の業務も終盤。
この日は午後の会議に向けて、資料作りなどに取り組んでいた。
と、取材班に三浦スマイル!
日頃から、できるだけお弁当づくりも頑張っているそう。
地元飛騨でつくられる野菜は、安くてとっても美味しいらしい。
ちなみにこの日は、昨晩の残り物のおでんと、
お手製のおからのポテトサラダを持ってきたとのこと。
そんなこんなでお昼ご飯を楽しんでいると……。
「いつもおいしそうだね~」と、先輩社員が声をかけてきた。
※三井金属ユアソフトでは、お弁当を頼むこともできる。
和やかなムードの中、突然、三浦さんが満面の笑顔で
と、ある冊子を見せてくれた。
見せてくれたのは、飛騨地域で暮らす有志たちが趣味で発行しているフリーペーパー。
市役所にも置かせてもらっているというほどの本格派。
三浦さんは、プライベートでこのプロジェクトに参画しているとか。
「実は、私、佐藤さんにとても感謝してるんです。佐藤さん、愛されキャラですっごく顔が広いので、地元の人をいろいろ紹介してくれて。このフリーペーパーの活動も、佐藤さんが誘ってくれたんです!お陰で地元の友達もたくさんできて。次に新しい社員が入ってきたら、佐藤さんにしてもらった様に、今度は私がいろいろと紹介してあげたいですね」
佐藤さん、めっちゃいい人ですやん!(数時間ぶり2度目)
お昼休憩の時間は、ご飯を食べてから身体を動かすことも多いという三浦さん。
ちなみに、会社の裏にはテニスコートもあり、昼休みに楽しむ人も多いそう。
「あ、噂をすれば……」
三浦さんの目線の先にいたのは、(もはや予定調和の)佐藤さん。
佐藤さん、ドンマイ。
ところで、三浦さんの投球フォームがキレイすぎる件について。
そんな話をしながら、佐藤さんと二人で今度は遠投勝負。
なるほど、納得。
それにしても、本当に仲がいい。
なんやかんやあって、再び散歩へ。
歩きながら、神岡の豊かな自然について、季節の移り変わりについて、
そして三井金属ユアソフトの魅力について、語ってくれる三浦さん。
話を聞けば聞くほど、取材班もこの場所をどんどん好きになっていく。
そんな不思議な時間が流れる一方で、素朴な疑問も浮かんでくる。
もともとは都市部の大学に通っていたという三浦さん。
どうしてこの場所で働くことを選んだのだろう。
「2ヶ月間程度の短い期間ですが、海外で生活していたことがあって。その時に、いろんなライフスタイルや価値観の違いを目の当たりにしたことで、私自身、日本国内で働くならどこに住もうが、どこで働こうが一緒だよなって思うようになったんです。それから、人と関わるのが好きな私にとって、コミュニティが広すぎないっていうのも、地方で働く良さなんじゃないかなって。コミュニティがちゃんと見渡せる範囲ってことは、それだけ周りの人たちとの信頼関係がしっかり構築できる環境ってことだと私は思うんです。実際に、どこどこの誰が~っていう話はすぐに広がるくらいの地域なので、きっと誰も悪いことしようなんて思わないんですよね(笑)」
とはいえ、不便を感じることもあるのでは?
「利便性だけで言ったら都会には劣るかもしれませんけど、毎週末、名古屋に出ることだってできますし、配達物もちゃんと即日で届くので、生活に困ることは何もないと思っています。むしろ、都会に負けないくらいの、ここでしかできないこと、体験できないことがたくさんありますから。それこそ信頼関係の話にもつながりますけど、都会の人間関係にうつうつしてるなんて人がいるなら、こんないい場所があるよ、こんなに伸び伸びといられる場所があるよって、私は知ってもらいたいですね。私自身、ここに来てからのほうが、やりたいことを全部叶えられてますから」
今日一番の笑顔を残して、三浦さんは午後の業務に向かっていった。
十分にリフレッシュした後は、また仕事に集中。
この日の午後は、WEB会議からスタート。
まだ社会人1年目ということを忘れてしまいそうだ。
午後の休憩時間で、三浦さんが欠かせないのはコーヒー。
休憩スペースには、本格的なコーヒーメーカー以外に、
豆を手で挽けるミルなどの道具まで用意されているこだわりよう。
午後は、会議などで割り当てられた業務を進めていく様子。
わからないことがあれば、すぐに先輩が飛んできてくれる。
会議室で、先輩との打ち合わせも。
システムの会社と聞くと、黙々と作業をするイメージもあったが、
意外とコミュニケーションを取る場面が多いのも印象的だった。
1日の業務が終わったら、
片付けをして、先輩に挨拶をしてから退社する。
ちなみに、日頃からほとんど残業はないそうだ。
取材班に対しても、最後まで気遣いを忘れない三浦さん。
もはや天使。エンジェルスマイル。
帰る途中は、夜ご飯の献立を考えながら地元のスーパーに寄ったりもするらしい。
「三浦さん、輝いてましたね……」
「僕、もうここで暮らしたいんですけど……」
「そりゃ、ダメでしょ」
「自分の夢や目標に対してまっすぐな人もいますが、やりたいことが明確ではない人もいると思います。私も最初は例に漏れず、何がしたいのか分からなくて悩んでいました。それでも、今こうして三井金属ユアソフトに入社して、神岡に来て、仕事やプライベートで自分のやりたいことをどんどん実現できているのは、先入観にとらわれすぎずにアクティブに動いてきた結果だと思っています。“こんな仕事じゃないと”“こんな場所じゃないと”と決めつけるのではなく、日本全国、もっと言えば全世界を舞台に、気になっている企業や興味のある分野の企業があれば、どんどんアプローチしてみてください。その上で、三井金属ユアソフトに興味を持っていただけるなら、こんなに嬉しいことはありません。新しい仲間と出会えることを、私自身はもちろん、先輩たちもみんな楽しみにしていますよ!」
「週に1回くらいは友達と何かをしないと気が済まなくて(笑)」と語る、とにかくアクティブな三浦さん。飛騨地域に暮らしている友達と一緒に、夏はSUPや登山、バーベキュー。冬はスノーボードやホームパーティなどを楽しんでいるそうです。ホームパーティでは世界中の料理を制覇することが目標で、これまでにアジアの国はもちろん、スイスやオーストリア、メキシコ料理などもつくったことがあるのだとか。そのほかにも、様々な町おこしのイベントに参加したり、ボランティアに参加したり。「ここは、やりたいと思ったことを口にすれば、それを実現できる場所ですから」という三浦さんの言葉には、地方で働きながら暮らすというライフスタイルの確かな“豊かさ”を感じることができました。