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PROJECT STORY 02

三井金属の“働く”を支える

SAP SuccessFactors導入

MEMBER

  • T.H.

    T.H. ICT推進部
    活用推進チーム

  • H.H.

    H.H. ICT推進部
    活用推進チーム

  • N.Y.

    N.Y. ICT推進部
    活用推進チーム

CHAPTER 01プロジェクト発足

旧人事給与システムから、
最新システムへの刷新を担う

三井金属グループにて展開していたSAP ERPの人事給与システム「SAP HCM」が2025年末に保守期限を迎えることを受けて、最新のソリューションである「SAP SuccessFactors」への移行を実現すべく、2019年9月に発足したのが当プロジェクト。既存の機能は継続利用することを大前提に、旧システムから最新システムへの移行をユーザーに負担をかけることなく実現しなければならず、かつ将来的には人事業務のさらなる効率化・システム保守運用の最適化も必要になることを踏まえた刷新という、この難解なプロジェクトに果敢に挑んだ社員たちがいます。今回はその内、プロジェクトリーダーを務めたT.H.と、チームメンバーであるH.H.、N.Y.の3名に集まってもらい、当時の話を聞きました。

まずは、今回のプロジェクトへのアサインが決まった時の
率直なご感想からお聞かせください。

T.H. 私はこのプロジェクトに参画する以前より、人事給与領域を担当するチームのリーダーを務めており、システムの運用・保守や導入・開発といった経験は多くしてきたのですが、今回のようなシステムの刷新に携わるというのは初めての経験でした。正直どの様なプロジェクトになるのだろうか、上手く進められるのだろうかと、期待と不安が入り混じっていた気持ちでした。また、SAP SuccessFactorsはSAP HCMに比べて機能も拡充されているため、その領域を学びながらプロジェクトをリードしていかなければならないと感じていました。

H.H. 一般的に大きなプロジェクトは何十人体制で推進することが多いのに対して、今回のプロジェクトチームは8人と小規模なチーム体制でした。私としては、率直にこの人数で本当にやり切れるのか、という不安がありました。

N.Y. 自分は入社後間もなく今回のプロジェクトへのアサインとなったため、正直どこまで大変なものなのかわかっていない状態からのスタートでした。とはいえ、周りには頼れる先輩方がいらっしゃったので、特に不安などはなかったですね。どちらかというと、自分の力でどこまでできるだろう、どこまでチームに貢献できるだろうという考えでワクワクしていました。

皆さんが、今回のプロジェクトの中で担った役割についても教えてください。

T.H. システム移行ベンダーのプロジェクトリーダーとして、要件定義、システム対応の実作業および進捗管理、支援いただく協力会社との連携・調整を一貫して担っていました。特に、今回のプロジェクトにおけるお客様となる三井金属の総務部・人事部と一緒になってプロジェクトの進行を決定していくという役割もありました。

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H.H. ABAPアドオンプログラムの改修や、他システムとのファイル連携機能再構築などを担当しました。SAP SuccessFactorsはSaaS(※)型のクラウドサービスのため、オンプレミス環境(※)での構築と比べると制限が多く、使える手段が少ないと言われています。そんな制限下で、いかにユーザーに不自由なく利用していただけるかを考えながら、機能の検討・構築を進めていました。
※SaaS=Software as a Serviceの略。クラウド上でソフトウェアを利用できるサービスのこと。
※オンプレミス環境=サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して開発・運用すること。

N.Y. メインの作業としては、システム設定の事前調査や実作業、アドオンプログラムの改修のほか、既存のシステムで使用・保存していたデータの新システムへの移行を担当しました。中でも給与計算結果の移行作業については、自身がこれまで行った作業とは異なり、取り扱うデータ量が膨大であり正確に移行作業を行う必要があったため、緊張感を持って作業を行いました。

CHAPTER 02立ちはだかった壁

移行テスト後に起きた、
想定外のトラブル

今回のプロジェクトにおける導入対象となった会社の数は、三井金属グループ内の全27社。そして対象人数は、実に約6,700名にものぼりました。ユーザーのため、協力会社や三井金属の総務部・人事部などとその都度連携を取りながら、三井金属ユアソフトのチームメンバーが中心となって順調に進めていたかに見えた当プロジェクト。しかし、当初2020年10月に稼働をスタートさせる予定だった「SAP SuccessFactors」は、その稼働開始時期を結果的に2021年2月に後ろ倒しせざるを得なくなったといいます。なぜそのようなことが起きてしまったのか。そして、延期を余儀なくされた理由とは何だったのでしょうか。当時を振り返ってもらうと、そこにはシステムを担う立場としてのメンバーたちの苦心がありました。

今回のプロジェクトで特に大変だったことや、
立ちはだかった壁はなんでしたか?

T.H. 稼働直前に実施する本番移行作業です。事前にリハーサルを行い、その時は問題なく移行できると思っていたのですが、本番移行時には様々な問題に直面する事になりました。最初に起きた問題としては、同じSAPのシステムであるにもかかわらず、データ構造がSAP HCMとSAP SuccessFactorsで異なる箇所があった事です。移行がそのままの状態ではできないとなり、本番移行作業および本稼働可否の最終判断期限が迫る中で「どうすれば同じデータとして認識されるのか」を考え「この様なデータ内容にしてみたらどうだろうか」という試行錯誤を繰り返すことになりました。

H.H. ちょうどそのデータ移行は私も協力していて、最初にトラブルが発覚した時には「もう無理なんじゃないか」と思っていました。それでもT.H.さんが、「こうしたらいいんじゃないか」という提案をいろいろとしてくれたことで、結果として別の方法を見つけることができ、なんとかなったという感じですね。

N.Y. 自分も作業をしている中でその事実を知らされて、まずは「こういうことも起きるんだ」ということに驚いたことを覚えています。準備としてチームでリハーサルなどもしていた中で、トラブルが起こりうるというのは、個人的には学びにもなりました。

T.H. 時間が限られている中で打ち合わせを重ね、こうすれば移行できるという別の方法を見つけて移行作業を期限ギリギリに完了させる事はできたのですが、問題は一つだけではなく、連続して発生していました。移行後の確認作業の中で、データ内容が正しくない箇所が次々と発見されたのです。その時点で本稼働可否の最終判断期日が間近となっていましたが、データの内容を全て修正するのは困難な状況となっており、結果としては本稼働の延期を決定しました。何が何でも課題をつぶして、稼働にこぎつけることがシステム側の使命ですので、延期の決定は心苦しかったです。その後、この本番移行作業での失敗を糧に、課題対応や移行作業の見直しなどを行い、2021年2月に無事に本稼働させる事ができました。本稼働開始の案内が出た時はほっとしましたが、すぐに稼働後のサポートなどが始まるので、ほっとできたのは一瞬でしたね。

壁を乗り越え、今回のプロジェクトを通じて得た経験や技術を、
今後どのように活かしたいと考えていますか?

T.H. そもそもシステム自体の刷新・移行プロジェクトに携わるのが初めてでしたし、これほど大規模なプロジェクトに関われるチャンスはなかなかないため、トラブル含めいい経験ができたなと思っています。また、今回のプロジェクトにおいて上司となるプロジェクトマネージャーの立ち振る舞い・言動からも色々な事を学びました。これらの経験・学びを活かして、今後も三井金属ユアソフトの価値を高める大きなプロジェクトに携わり、その時はよりプロジェクトの中心人物として活躍したいと思っています。

H.H. 私もこれほど大きなプロジェクトに携わった機会は今までなかったため、新たな技術の習得はもちろんですが、プロジェクトの進め方についても勉強になりました。実作業としては、プログラムの改修や初期設定作業、データ移行などがメインでしたが、導入検討や設計フェーズの打ち合わせ段階から参加することができ、ヒアリングの仕方や実現方法の検討なども学んだので、今後のプロジェクトの遂行に活用していきたいと思っています。

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N.Y. 失敗自体はもちろん褒められるものではありませんが、ピンチはチャンスと言いますか、トラブルが起きたことで、いい意味でチームメンバーたちの一体感を感じられたのは個人的にとても印象的でした。苦しい中で必死に取り組んだからこそ得ることができた粘り強さで、今後の業務においても、諦めることなく何事にも取り組んでいきたいと考えています。

CHAPTER 03無事リリース、各所からの反響

三者三様で感じた、
三井金属ユアソフトの強み

「原則として、現在使っているSAP HCMの機能をそのまま継続利用できることをユーザーは求めていました。その要望に応えつつこれまでは組織の人事担当と給与担当が各々行っていた業務がシステム上でつながり、効率化を実現できたこと。そして余計な手間や不安を感じないようにできたことが、今回のプロジェクトの成果です」と語るメンバーたち。その言葉通り、システム移行が完了した後も、利用方法に関するユーザーからの問い合わせ数は移行前とほとんど変わらず、さらには一部の業務が効率化された事により、お客様から「SAP SuccessFactorsになってシステムが使いやすくなったよ」といったお言葉をいただく事も多くあったそうです。最後に、今回のプロジェクトを走り切った3名に、プロジェクトを通じて感じた三井金属ユアソフトならではの強みや、これから実現していきたいことなどについて聞いてみました。

今回のプロジェクトを通じて、皆さんが感じた
三井金属ユアソフトの強みを教えてください。

T.H. 業務・運用知識を理解した上で、システム対応を行えることが強みの一つだと捉えています。我々が三井金属の担当者と対話して物事を進めていくことで、本プロジェクトにおいても、ミスマッチや手戻りを極力抑えられたことは事実です。その様な業務・運用の知識を得る機会に恵まれた土壌だと改めて感じました。

H.H. 上長やリーダーへ意見してもしっかりと耳を傾けてくれる風土があることです。それは、チーム内だけでなく、チーム外でも同じですね。目の前の問題を解決するため、相談すれば誰もが親身になって聞いてくれる社風は、三井金属ユアソフトの強みであり、特徴でもあると感じています。

N.Y. 先輩方をはじめとする個々の能力の高さこそが、三井金属ユアソフトの大きな武器だと感じています。協力会社の支援こそあったものの、今回のプロジェクトを少人数のメンバー構成で進めることができたのは、やはりそれぞれの能力が高かったからと言えるのではないでしょうか。

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最後に、これから皆さんが三井金属ユアソフトで
挑戦していきたいことを教えてください。

T.H. 現在所属しているチームの性質上、主に人事給与領域を取り扱っていますが、この分野に関してさらに精進し、お客様からこの領域に関して全面的に頼ってもらえる人材になる事が一つの目標です。加えて、今後は同じ部署内の異なる業務領域を担当するチーム、さらには会社内全体で様々な人を巻き込み、共働していきたいです。

H.H. SAP SuccessFactorsには、まだまだ拡張できる機能が多く、私自身、理解しきれていないものも数多くあるため、まずは技術習得や機能拡張のための学習を進めます。将来的にはいわゆる「HRテック」を担えるような人材となり、三井金属グループの人事課題を解決に導ける様になる事が目標です。

N.Y. 今回のプロジェクトは、自分自身が三井金属ユアソフトで初めて最後まで携わったプロジェクトでした。今後は他のプロジェクトにも参画しながら、自分のできることや役割を、これまで以上に広げていけるように邁進したいと思っています。そして自分も先輩方のように、お客様へより良い提案ができるようになりたいです。

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