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2023年9月1日

日本希土類学会技術賞（藤森賞）を受賞
スーパーカミオカンデ用低放射性硫酸ガドリニウムを開発

「スーパーカミオカンデ用低放射性硫酸ガドリニウムの開発」の研究業績が評価され、当社の山口靖英さんと田中雄太さんが2023年5月30日に第27回日本希土類学会技術賞（藤森賞）を受賞しました。藤森賞は、希土類の技術開発、その発展に多大な貢献をした個人またはグループが受賞する非常に名誉のある賞です。

スーパーカミオカンデはニュートリノをより高感度で観測するために、極めて高純度の硫酸ガドリニウムを必要としていました。スーパーカミオカンデ内に設置された光センサーの感度が非常に高く、放射性不純物が含まれているとそのノイズを検知してしまうからです。
放射性元素、特にトリウムをppt^※レベルで低減させた硫酸ガドリニウムをどのように安定的に大量生産するか検討を重ね、NYC固有技術の溶媒抽出他を組み合わせて高純度で連続生産を行うことに成功しました。開発から処理フロー完成まで4年、その後足掛け3年をかけて製造が行われ、39トンの硫酸ガドリニウムをスーパーカミオカンデに納入しました。
2022年8月に硫酸ガドリニウムの全量溶解投入が完了し、昨年末から観測が開始されています。低放射性硫酸ガドリニウムの導入によってニュートリノの観測感度の向上、特に、「超新星背景ニュートリノ」の世界初の観測が期待されています。
スーパーカミオカンデにガドリニウムを添加する目的や効果の詳細な説明は東京大学宇宙線研究所ホームページをご覧ください。
https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/detail/422/
※ppt：1兆分の1

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