奥飛騨だより

飛騨の春(2010.4月号)

2010年4月号

3月下旬。全国各地では桜の開花発表が相次ぐも、飛騨地方は降雪が観測される日もあり、未だ寒い日が続いています。 しかし、時折春の訪れを感じさせてくれる風景に出会うことがあります。今月は飛騨地方で見つけた小さな春をご紹介します。

こちらは3月29日に撮影にしました、本社前に植えられている桜の木です。この日は10センチ程度の積雪を観測し、桜の木にはうっすらと雪化粧が施されました。 その様子は見るからに寒々しいですが、小枝に注目してみれば、小さな芽がつき始めているのが分かります。 しかしながら、開花はまだずっと先のことでしょう。本社近くの桜の木はそれほど多くはなく少々寂しいですが、それ故に花が咲けばなによりも目立つ木になります。今から開花が楽しみです。

足元に視線を転じてみれば春の風物詩のひとつ、ふきのとうが顔を出しています。右の写真からも分かる通り、ふきのとうの横には雪が残っています。 日当たりのよい田んぼのあぜ道がふきのとうの主な自生地ですが、このような場所でビニール袋片手にふきのとう採集に勤しむ人々の姿は春の訪れを感じさせる貴重な風景です。 ふきのとうを見るとあの独特の苦味を思い出します。花が咲いてしまうと苦味が増し食用には適しませんから、今のうちに採りに行きたいですね。

こちらは雪割草です。主に、飛騨地方の様な寒い地域で育ちます。雪が溶け始める3月頃に、積もった雪を割って生えてくる事から、この名が付けられたそうです。 ひとえに雪割草と言っても、その花びらの色や形は様々です。今回、地元飛騨市神岡町内に雪割草を栽培されている方がおり、見学させていただくことができました。 ビニールハウス内では多くの雪割草が花を咲かせており、その鮮やかさに目を奪われます。

ビニールハウス内でも、紫色やピンク色の可愛らしい花が目を惹きましたが、中には不思議な模様を浮かべた雪割草も多く有りました。 花びらの形で大きく7種類に分類されるそうですが、その中でもさらにいろいろな色があるそうです。 そんな雪割草ですが、晴れの日でないと花を咲かせないそうです。そのため自生する雪割草を発見しても、実際に花が咲くまではどんな模様かはわかりません。 晴れた日が待ち遠しくなるかもしれませんね。

4月には気温がぐんと上がり、飛騨地方もより春らしくなると思います。飛騨市のお隣の高山市では春の高山祭りが開催されますし、今から楽しみです。

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