奥飛騨だより

高原川の渓流釣り(2011.5月号)

2011年5月号

飛騨地方も4月中旬となると暖かい日が続き桜も咲き始めました。
神岡もようやく本格的な春が来たようです。今月は乗鞍岳の北麓を水源とする「高原川」の渓流釣りの様子をお届けします。 「高原川」は神岡町市街地を貫流し、幾つかの川と合流を繰り返しながら北上し富山県境で「神通川」となって日本海に注ぐ河川です。

まず高原川の川原で目にとまったのは春の風物詩のひとつ「ふきのとう」です。 2010年4月号で紹介した際は、まだ雪が残っており顔を出したばかりのふきのとうでしたが、成長するとこのように茎が伸び、小さな白い花を咲かせます。 今年もこのふきのとうの葉を使い「ふきのとう味噌」を作りました。独特の苦味が春を感じさせてくれます。

この日は高原川漁協の主催するマス釣り大会が開催されたため、大勢の人が数メートル間隔で釣りをしているという状況でした。 にわか雨が降り天候には恵まれなかったのですが、皆、雨具を装備し釣っています。 さすが釣り人といったところでしょうか?渓流竿という長い竿と餌で魚を釣る餌釣りの人や、魚に似せたルアーで釣る人など釣り方は様々でそれぞれ釣りを楽しんでいました。

写真は隣で餌釣りをしていた人がヤマメを釣り上げた瞬間です。餌釣りは、細い仕掛け糸に赤や黄色の糸で目印を付け、 川の上流から下流へ自然に餌が流れてくるよう餌を流すのですが、この流す技術が難しいそうです。水の流れと同じ速度で仕掛け糸を流す、 というのは理屈では解かっているのですが、使用する竿は5m~8mと長く、また重量もあるため、やってみると実際はなかなか上手くいきません。

この日は、イワナやヤマメのほか、珍しくアマゴも釣ることが出来ました。アマゴは魚体の側面にパーマークと呼ばれる黒い斑点があり、 よくヤマメと間違えられるのですが その斑点に混じって綺麗な朱点が散在するのが大きな特徴です。イワナと同じように警戒心が強くなかなか釣ることが出来ないため、 アマゴを釣ることを夢見て遠方より何度も訪れる人が多いそうです。

高原川の渓流釣りはまだまだ始まったばかりで、夏には鮎釣りも盛んになり、例年9月位まで釣ることが可能です。みなさんも自然の魅力溢れる飛騨へぜひお越し下さい。

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