奥飛騨だより

飛騨高山 宮川朝市(2011.9月号)

2011年9月号

 皆さん、こんにちは。今回は「飛騨の小京都」“飛騨高山”をご紹介致します。高山は、三井金属ユアソフトのある飛騨市神岡町から国道41号線を車で名古屋方面に南下すること約50分の場所に位置します。
 皆さんは飛騨高山と言えば何を連想されますか?“飛騨牛”“高山祭”“古い町並み”と挙げれば切りがないのですが、今回は“宮川朝市”をご紹介します。
 ここ高山では”宮川朝市”と”高山陣屋朝市”の2箇所で実施しておりますが、”宮川朝市”にフォーカスして、取材した内容をお伝え致します。朝市は全国各地に点在し、ここ高山の宮川朝市は、石川県の輪島朝市、千葉県の勝浦朝市と並ぶ、日本三大朝市のひとつとも言われており、高山市を代表する観光名所にもなっています。
 とはいえ、私自身、地元にいながら「いつでも行けるから」との思いがあり、朝市に足を運んだことは今回が初めてでしたので、とても新鮮でした。朝7時という早朝にも関わらず、近くの駐車場はほぼ満車。お盆の時期と相まって、とても賑わいをみせておりました。

 最初に実施場所をご案内致します。JR高山駅から国分寺通りを古い町並み方面へ約10分ほど歩くと鍛冶橋の袂を左手に曲がった、宮川沿い(下三之町)に位置します。橋の中央には、下の写真にあるように、”手長像”“足長像”が目印です。
 宮川朝市は約40店舗ほどの露店が軒を連ねており、鍛冶橋から弥生橋の間、約350mの道沿いで実施しております。この飛騨高山の“宮川朝市”は、年中無休で早朝より正午まで開かれています。

 販売している商品は、新鮮な野菜、果物、山菜の他、手作りの民芸品や手彫の木工品など様々です。ここに並ぶ新鮮な野菜は「スーパーや大型店舗よりも3割位安く購入できる」という地元の主婦の方の口コミ情報なんかもありました。また今は”飛騨桃”が旬な季節です。皮が柔らかく、甘みたっぷりの桃は格別です。
 そして、弥生橋方面歩き始めるとすぐにしょうゆの香ばしい香りに誘われます。この香りの主は飛騨のB級グルメのひとつ”みだらし団子”です。全国的には甘たれや餡子などの甘味和菓子を想像される方が多いかと思います。しかし、飛騨地方ではみだらし団子と言えば、昔から醤油味が親しまれています。是非、訪れた際は、一度ご賞味下さい。

 さて、散策を続けると、どの軒下でも飛騨弁で接客しているおじいちゃん、おばあちゃんがいました。その光景がとても可愛らしく私には映りました。そんな微笑ましい光景や、特産物に触れ、改めて宮川朝市が市民や観光客に愛されて続いているんだなぁとつくづく感じることが出来ました。

 ここで朝市の歴史に触れてみることにします。古くは、江戸中期から続いております。一時は朝市の廃止を推進する時代もありましたが、苦難を乗り越え今日まで継承されております。『朝市』と名乗るところは各地にありますが、その多くが日を決めて開かれるか、季節に行われる市がほとんどです。 

 高山の朝市での販売方法は大声での呼び込みなど行わず、昔からの方法で訪れるお客様と世間話をしながら商売する、また販売者の自慢の作品や商品を、褒めることで安く購入するというのが特徴です。そんな宮川朝市へみなさんも一度、少し早起きをして足を運んでみませんか。



◇交通アクセス◇
岐阜県高山市下三之町

<JRを利用>
JR高山本線 富山駅から約1時間30分
JR高山本線 名古屋駅から約2時間30分

<車を利用>
名古屋から東海北陸自動車道経由約2時間20分
東京から安房トンネル経由約4時間30分
大阪から東海北陸自動車道経由約3時間30分
金沢から東海北陸自動車道経由約1時間50分


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