奥飛騨だより

秋の風景(2011.10月号)

2011年10月号

天高く馬肥ゆる秋。いかがお過ごしでしょうか。
三井金属ユアソフトの周囲の田んぼでは、次々に稲の刈り入れが進んでいます。

 自然の美しさを感じる季節ですね。家族や親戚が稲の刈り入れで慌しい時期となり、お休みの日に田んぼに出る社員もいます。

 付近の神社では豊作に感謝して神事が奉納される時期でもあります。 右の写真は、私の地元である岐阜県高山市国府町に伝わる 「金蔵獅子(きんぞうじし)」(県重要無形民俗文化財)の様子です。 「金蔵獅子」は岐阜県飛騨地方から富山県越中に伝承されるもので、猿田彦命(さるだひこのみこと)と天細女命(あめのうずめのみこと)とが 天照大神(あまてらすおおみかみ)の御霊を奉じる道中や悪神を成敗しながら進まれた縮図であるとも言われています。

 私も金蔵獅子の奉納に参加しました。 背を向けていますが、笛を演奏しています。 金蔵獅子は主に20~40歳の社会人で構成されており、 練習期間は幅広い職業・年齢の方と接する貴重な機会となります。 ちなみに録画した演技をiPadでチェックするなど、 隠れたところでIT技術が使われています。

 右の写真は、地域の子供達が「闘鶏楽(とうけいらく)」という鶏芸を奉納している様子です。 音の成る様子から、子供達の間では「カンカコカン」という別名で呼ばれ、 NHKの「みんなのうた」で、「高山にカンカコカン」という曲が紹介されたこともあります。

 今年の飛騨地方は幸いにも台風の被害が少なく、豊作だそうです。 日本の神々は人間が罪を犯したとき、神への感謝を忘れたときに「祟り」という 災厄を与えると言われています。 また、罪を償いその神を祀ることで祟りが鎮められると言われています。

 現代社会においては非科学的な話ですが、 日本の地域社会が一体となって自然の恵みへの感謝の気持ちを表す様子をお伝えしました。 秋の飛騨地方へお越しの際、鐘や笛の音が聴こえてきたら、すこし足を延ばすとご覧頂けるかもしれません。

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