奥飛騨だより

滋賀県 近江八幡 水郷巡り(2011.11月号)

2011年11月号

 皆さん、近江八幡に行かれた事はありますか?10月のとある土曜日に京都に行くつもりで自宅を出発したのですが、出発が出遅れたこともあり高速道路の渋滞につかまり、京都へ行くのを諦め、滋賀県の近江八幡へ行ってきました。滋賀県というと琵琶湖が有名ですが近江八幡はその琵琶湖の東岸に位置しています。
豊臣秀次(豊臣秀吉の甥)が、この近江八幡に八幡山城を築き、城下町の発展の為に琵琶湖を使って北陸と関西を行き来する商船を城の内堀ともいうべき八幡堀に引き入れることで近江八幡の繁栄に繋がり、これが近江商人の発祥とも言われています。

 近江八幡水郷巡りは、この八幡掘から西野湖を中心として私達を乗せた舟を船頭さんが櫓と竿で浅瀬や狭い場所も巧みに操りながら、昔の歴史や風景を面白おかしく解説しつつ一時間半程度でゆるゆると一周する船旅です。この水郷巡りには手漕ぎのものとモーターボートの2タイプがあるようですが、私達はのんびり手漕ぎを選びました。ちなみに料金は2,100円/人で、それぞれの船頭さんが集金されます。さあ、出発です。

 私達2人は見ず知らずの方々併せて7名で乗船しましたが、聞こえるのは櫓を漕ぐ音、水音、そして風に揺れる葦(由)の囁きでした。穏やかな秋の風に吹かれつつ、同乗した他のお客様との会話もまったりとした雰囲気となります。かつて、豊臣秀次も水郷巡りをして楽しんだという逸話も残っているようです。こんな時には日本酒が合うのでしょうが本日はお預けです。

 すれ違う船は別の会社のようです。手漕ぎの和船を運航している会社は複数あるようです。後日、ネットで情報を見ると10:00と15:00出発の二便となっていましたが、週末のせいか一定の人数が集まると定期に出発するので、待ち時間はそれほどありませんでした。下船したのは11:30頃だったのですが、その頃には乗船する為の待合室には数十人の方が待たれていましたので、早い時間に行かれた方が良いかと思います。

 こちらはモーターがついた船です。少し風情に欠けますが、お急ぎの方はどうぞ。同乗した他のお客様から伺ったのですが、以前にモーターがついた船に乗ったが解説が聞こえず、今回の手漕ぎが良かったとおっしゃってみえました。一緒に行った連れ合いは船に弱いのですが、モーター付きだと、モーターの振動もあるせいか船酔いする気がするけど、手漕ぎの和船だと船酔いしないと言っていました。

 遊覧船の後は八幡堀沿いの町並みを散策しました。ここは「近江八幡市八幡伝統的建造物群保存地区」として国の重要伝統的建造物群保存地区として指定されており、風情がありました。昔の風景が拡がっているということもあり、水戸黄門やミステリーの撮影場所としてもよく使われているようです。かつてはここの船着場では地元の西の湖周辺に生育していた葦を原料とした簾(すだれ)や葦簀(よしず)は勿論の事、北陸と関西を結ぶ様々な物資が運び込まれ、荷降ろし、船積みが盛んに行なわれていた様子を想像してみると、その賑わいと喧騒がはるか遠くから聞こえてきませんか?

 又、この地には「メンターム」で有名な近江兄弟社があります。社名に「兄弟」という名がつくことから、兄弟で設立したと思われる方もいるようですが、「人類皆兄弟」というキリスト教の精神から名づけられ、幼稚園・小学校・中学校・高校も運営されています。散策途中にこの高校の生徒と出会いましたが、礼儀正しいのに感服しました。

 この近江八幡の近くには安土城跡や佐川美術館もあります。佐川美術館は平山郁夫氏の作品が常設展示されており、ここも私のお勧めスポットです。

 関東・東海から関西方面へ旅行となると、京都・奈良へ行かれる方が多いかと思いますが、ゆったり・まったりと旅行されたい方は是非一度出かけてみてはいかがでしょうか。

場所: 滋賀県近江八幡市北之庄町
交通: 大阪方面より 名神高速 竜王ICより約20分
   名古屋方面より 名神高速 八日市ICより約30分
(記事: γ-GPT)

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