奥飛騨だより

雪国の冬の準備(2012.1月号)

2012年1月号

寒暖の差が激しく体調の維持が難しい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新春の奥飛騨だよりは雪国ならではの冬の準備に焦点を当ててお伝え致します。

まず始めにご紹介するのが、植栽を雪から守る「雪囲い」です。積雪によっては枝が折れてしまわないように木や竹で植栽の回りを囲みます。 積雪地では11月半ばからこのように雪囲いをして積雪に備えるそうです。
背の高い木では、「雪吊り」と呼ばれる一番高い先端から紐で枝を吊る事で雪の重さから枝を守る事も行われます。
実際の雪囲いの作業を見ていると、簡単そうで難しいと感じました。板や竹を麻紐で結ぶという作業は、 いい加減な作業だと雪の重みでつぶれてしまうし、植栽の形に合わせての施工は熟練が必要そうだと感じました。

次に、情報センター所有の除雪用機材の動作確認です。
今回は操作講習会を開いて頂き操作方法を学習致しました。さすがに自動車の運転と同じようには行かず前進、後退、右左折という基本操作すらおぼつかない感じでしたが、 慣れれば何とかなる感触をつかみました。意外にも暖房の効きが弱く厳寒時の作業は防寒に留意する必要があるとの事で、一般道路の除雪をされている方々は非常にご苦労されている事と思いました。 今回は暖かく晴れた日の講習でしたので、実際の除雪作業は行えませんでしたが運転席からの眺めの良さに思わず感動してしまいました。 眺めが良いながら、実際の作業時には周囲の安全確認を慎重に行う必要があります。

道路の冬準備としては、左の写真のように雪が積もっても路肩が分かるように路肩表示の反射板を延長して取り付けてあります。 標準の高さが約50cmですが、積雪シーズンに入ると、さらに50cmの延長がなされます。 又、道路のあちらこちらに「除雪工事」の表示も見る事出来ます。主要幹線道路には除雪センターがあり大型の除雪車が格納されています。 さらに、富山⇔高山間を走る国道41号線には、道路を雪崩から守る「スノーシェッド」という覆いが複数設置されております。実際に走行すると、覆いというよりもまるでトンネルのようです。
積雪地の道路を守る為の道路維持・管理にたくさんの方々の力が必要な事を実感致しました。雪道を走る時は感謝の心を忘れないようにしたいと思います。

神岡に赴任してから初めての冬を迎えました。スノーワイパーの購入、スタッドレスタイヤへの換装、雪下ろし道具の購入等で生まれて初めて雪というものを強く意識する事になりました。 雪国の冬の準備を実際に見るのは初めてでしたので、新鮮な感覚で周囲を観察する事が出来ました。
冬季に神岡へお越しの際は、冬用の設備や装備、各種表示にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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