奥飛騨だより

上高地散策(2012.8月号)

2012年8月号

夏の日差しが厳しい季節となりましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか? 今回は少し前ではありますが初夏に散策しました上高地の風景をご紹介いたします。 まだ、冬の雪が残る肌寒い中、避暑地「上高地」を舞台に、大正池から河童橋を経由して徳沢キャンプ場へ向かい、明神橋へ戻ってくるコースを巡ってみました。

弊社近隣から上高地へ向かう為の出発点である「平湯バスターミナル」の朝の風景です。 上高地はご存じの方も多いかと思いますが、中部山岳国立公園の一部で、自家用車(マイカー)による通行が規制されており、移動は公共交通機関であるシャトルバスやタクシーを利用する必要があります。 勿論、徒歩でもたどり着くことは出来るのですが、今回はシャトルバスを利用しました。 上高地行き乗り場前にて、出発バスを待ちながらの朝のひと時を過ごしました。

約30分間のバスの道程では、途中「安房有料道路」を経由し「安房トンネル」「釜トンネル」という2つのトンネルを潜り抜けて、今回の最初の散策地点である「大正池」に向かいました。

大正池は、焼岳という活火山の麓にある湖のような池で、大正4年6月(1915年)に焼岳の大噴火によりこのあたりを流れている梓川(あずさがわ)がせき止められたことにより誕生しました。 現在の大正池の大きさは、周囲2.4キロメートル・水深3.9メートル余りで、池ができた当時は池面積で現在のおよそ2~4倍近くの3.9平方キロメートルもあったそうです。 この日は天気も良く、残雪と近隣の山々が池の湖面に映りこみ、とても綺麗な景色を眺めることができました。 また、道中にはさまざまな動物が顔をあらわし、この日も「マガモ」や「ニホンザル」がときおり姿を現して、和ませてくれました。

途中、梓川の川縁を散策しつつ、田代橋やウェストン碑を経由して「河童橋」まで到着しました。 河童橋周辺は、シャトルバスやタクシーで移動可能な最終到着地で、橋を境目に両岸にお土産物の売店やロッジ・ホテルが立ち並ぶ、一番にぎやかな場所です。 この日は、どこかの修学旅行と思われる団体さんがお店でお土産を買い求めたり、橋のたもとの河原で風景画を嗜まれる方がおられたりと、皆それぞれに楽しまれている様子でした。

河童橋から明神池へはすぐに辿り着くことが出来るのですが、今回は明神池の先にある「徳沢」方面へ足を運びました。 徳沢には「徳沢キャンプ場」があり、高原の樹木が点在する広い草原が広がる中に、色さまざまなテントが立ち並んでいました。 丁度、お昼頃の到着をめざして徳沢へ向かっていましたので、私たちもここで食事・休憩をしました。 徳沢からは長塀山(ながかべやま)・蝶ヶ岳へと続く案内版があり、さらに登山を楽しむこともできる様でした。

徳沢を後に、次に到着したのは「明神橋」です。 先にご紹介いたしました河童橋と並ぶ有名な橋で、橋間から一望する風景もまた格別でした。 明神橋を渡ると、「明神池」があり、そのほとりに「穂高神社」が構えています。 明神池と穂高神社は、穂高岳の麓である明神岳の直下にあり、古来より、神が降りる地と呼ばれ、その名前が転じて⇒神降地⇒上高地といった奥ゆかしい由緒のある場所だそうです。

見るべきスポットが盛り沢山で、まだまだご紹介しきれない箇所も残る上高地散策でしたが、如何でしたでしょうか? 春先のゴールデンウィーク頃から秋頃まで散策することができるかと思います。 美しい景色と新鮮な空気を満喫しに、皆様も一度は訪れてみては如何でしょうか? ご自身の眼で見る景色は、また格別ではないかと思います。

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