奥飛騨だより

日帰り弾丸ツアー ~新島八重の足跡を訪ねて~

2013年10月号

 月日が経つのは早いもので、2013年も10月に入りました。
日中の暑さも和らぎ過ごし易い季節となり、秋晴れの下で運動会や文化祭、稲刈りや秋祭りなど、日本の各地から秋の便りが届けられます。 「食欲の」「行楽の」「スポーツの」「読書の」など、様々な言葉が冠される「秋」ですが、皆様は如何でしょうか? 「食欲の秋」が真っ先に思い浮かぶ筆者としては、体重と相談しながら今年の秋を楽しみたいと思います。
 飛騨地方もすっかりと秋の様相で、朝晩は肌寒い日々が続いております。 今までの調子で、うっかりTシャツ1枚で寝てしまうと、風邪をひいてしまう危険な時期です。 季節の変わり目ですので、皆様も十分ご注意下さい。
 この「奥飛騨だより」は弊社社員の持ち回りで進めておりますが、誰が何月号を担当するのかが事前に周知されています。 普段は気になっているのに「また今度」と実行に移せない事が多々ありますが、「奥飛騨だより」の取材という名目があれば重い腰も軽くなります。 今回は今年の大河ドラマの舞台でもある会津若松に一念発起して行くことを決めました。 神岡町から往復800Kmの日帰り弾丸ツアーの始まりです。

念願の若松城に到着

念願の若松城に到着

とある初秋の土曜日、台風の接近を横目に一路会津若松を目指しました。 神岡町からの移動は国道41号線を北上し、富山ICから北陸自動車道に乗り、更には磐越自動車道を経由して福島県に入るのが一般的なルートです。 時間にして約5~6時間というところでしょうか。 「思い立ったが吉日」なので、綿密な下調べも準備もできていません。 旅行情報誌を片手に車中で散策プランを練りつつ、最初の目的地である「若松城」に到着しました。

若松城(鶴ヶ城)

若松城(鶴ヶ城)

地元では一般的に 鶴ヶ城 つるがじょう と呼ばれており、地元以外では若松城や会津若松城と呼ばれています。 その歴史の紐をとくと、1384年(至徳元年)に 葦名直盛 あしななおもり が前身である東黒川館を築き、 蒲生氏郷 がもううじさと が七層の天守閣を創営し、以来600年以上の歴史を刻んできました。

若松城から望む会津若松市街

若松城から望む会津若松市街

戊辰戦争では激しい攻防に耐え、難攻不落の名城として称えられましたが、政府の命令で1874年(明治7年)に取り壊されてしまいました。 その後、市民の強い要望により1965年(昭和40年)に鉄筋コンクリート造により外観復興再建され、内部は若松城天守閣郷土博物館として公開されています。 また、2011年の春に老朽化に伴い黒瓦を赤瓦に葺き替えた事により、若松城は幕末当時の姿に再現されました。

NHK大河ドラマ「八重の桜」では、第20話~29話にかけて戊辰戦争の勃発から若松城(鶴ヶ城)開城までが描かれています。 劇中では前半最大の山場となり、近年涙腺が弱くなった筆者も毎回涙なくしては観る事が出来ませんでした。 その様な背景もあり、自分の足元で繰り広げられた歴史を思い出し、胸が熱くなりました。

若松城の散策を終え昼食の時間となりましたが、忘れてはなりません 「大河ドラマ館」です。(大河ドラマファンなら外せませんよね!!) 若松城に隣接している県立博物館の近くにそれはありました。 ドラマセットや主要登場人物の実際の衣装や小道具、役者さんからのコメントなど、「八重の桜」の世界観を満喫する事ができました。

いよいよ待ちに待った昼食の時間です。 今回の旅はノープランがモットーでしたが、昼食についてはご当地のグルメを堪能する為、事前の情報収集を怠りませんでした。 「会津そば」「ソースかつ丼」「カレー焼きそば」など、魅力的な名物グルメがある中で、 やはり地元の事は地元の人に聞くべしと会津若松出身の社員にリサーチを行い、伝統の郷土料理である「輪箱飯(わっぱめし)」を選択しました。
山人の弁当の器として用いられた「曲げわっぱ」を活用し、ご飯が隠れるほどの海と山の幸が盛り込まれた大満足の一品でした。 料理もさることながら、日本風情あふれる佇まいも大変魅力的なお店でした。

輪箱飯に大満足

輪箱飯に大満足

今回の弾丸日帰りツアーの最終目的地は「 飯盛山 いいもりやま 」です。 飯盛山は若松城の北東に位置する小高い山で、会津に忠誠を誓った白虎隊士が眠る悲劇の地として有名です。 飯盛山周辺には、白虎隊十九士の墓、白虎隊記念館、さざえ堂などの史跡が集まっており、歴史散策には格好のスポットと言われています。

飯盛山 最初の難関

飯盛山 最初の難関

帰りの時間の関係で滞在時間は短くなってしまいましたが、白虎隊十九士の墓にお線香をあげ、手を合わせてきました。 「八重の桜」では、第26話にて白虎隊の悲劇が描かれています。 少年隊士ながらも、会津藩士としてのプライドを胸に自刃する姿には目頭が熱くなりました。

線香が絶える事がない慰霊碑

線香が絶える事がない慰霊碑

現在、白虎隊士の自刃の地には若松城を見つめる石像が立っています。

白虎隊士の像が見つめる先には

白虎隊士の像が見つめる先には

今回の日帰り弾丸ツアーは、最終的に途中でお土産購入と、夕食を食べても21時には自宅に到着する事ができました。 日頃、プランやスケジュールに縛られている皆様、たまにはノープランで出かけてみられては如何でしょうか?

土産も忘れずにゲット

土産も忘れずにゲット

NHK大河ドラマ「八重の桜」では、会津から明治の京都に舞台を移し、同志社大学の前身である同志社英学校を創る「京都編」に突入しました。 今回の小旅行で本作品への思い入れが益々強くなりました。
「じゃあ次は京都に行こうか」と急に思い立つ日は意外と近いかもしれませんね。

出典
 日本放送協会 (大河ドラマ「八重の桜」)
http://www.nhk.or.jp/

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