奥飛騨だより

桜満開(2008.5月号)

2008年5月号

朝晩は冷え込みますが、日中は汗ばむ季節となりました。遂に、神岡にも本格的な春到来です。

春といえば、桜を連想される方も多いのではないでしょうか。そのくらい私達の生活に溶け込んでいる樹木です。 本社(岐阜県飛騨市神岡町)の南側にもソメイヨシノがささやかに植えられており、今年は四月の中頃にようやく開花のときをむかえました。 三月二十七日が「さくらの日」ということですから、それよりもひと月近く遅かったということになります。 ところが飛騨ではこれが普通で、ひな祭りなど季節の催しも一ヶ月遅れで行われることが多いようです。

こちらは水仙(スイセン)です。上のソメイヨシノと同様に暖かい地方よりも約一月遅れての開花です。 本社北側の勾配の急な場所でひっそり咲いているのを写真におさめました。 水仙の白と黄色の花びらは、桜とは違う優美さを持っています。 地面を覆う無数の草花の中にあって、水仙が一際色目立つ存在なのは、背の高さや目立つ花だけではなく、実はつややかな緑の葉や茎のおかげなのかもしれません。

山菜としても広く知られている土筆(つくし)です。ひょっとしたら皆さんの家庭でも佃煮などが食卓に並ぶ事があるかと思います。 単に観賞するだけでも楽しいこの不思議な植物ですが、最近では生薬としても知られるようになりましたね。 なんでも花粉症に効くということで、ますますこの季節には欠かせない存在になりそうです。 花粉症の方は土筆を見る目が変わってくるかもしれません。 土筆を見て、摘んで、食べて、緑溢れる春の景色を満喫してみてはいかがでしょうか。

右の写真はフキです。一月前は地面から辛うじて顔を出す程度、小さなふきのとうでしたが、こんなにも大きく成長しました。 ふきのとうが成長するとこんな姿になることをご存じない方も意外にいらっしゃるのでは? もう暫くすると、蕨(わらび)も生えてきます。 そんな頃には、フキや蕨を求めて、家族そろって三井金属ユアソフト本社の周りを散策する姿が見られるようになるかもしれません。 本社窓越しにそんな光景が見られれば、仕事の疲れもきっと吹き飛ぶことでしょう。

桜を見ながら、祭りを楽しみ、山菜でお腹を満たす。なんて贅沢なんでしょう。

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