奥飛騨だより

夏盛り

2008年9月号

夏真っ盛りの8月。各地で記録的な猛暑が続いており、ここ神岡でも寝苦しい日が続いています。
飛騨地方は山あいで涼しいと思われがちですが、神岡は意外と蒸し暑いのです。

8月14日(木)、15日(金)と恒例の神岡夏祭りが開催されました。夜は大津神社で 盆踊り催されたり、高原川で岩魚(いわな)のつかみ取りがあったりと、都会ではなかなか経験できない事が、 神岡夏祭りで行われます。14日の夜には花火大会もあり、星が綺麗な神岡の空がより一層彩られます。 普段何気なく見ている神岡城も、この時期はより壮大な城に思えます。 道の両脇には、街頭に吹き流しが垂れ下がり、祭りの華やかさを盛り上げます。

道脇には露天商が立ち並び、祭りムードが高まります。写真を撮影したときはまだ昼間で、町は日常の面影を残していましたが、日の傾きと共に徐々に人が増え始め、そして街路灯が灯るころには人の数も町の雰囲気も一変します。祭り特有の、どこか落ち着かない心躍る感覚が、町中を満たしているように思えます。
浴衣姿の子供達が、真剣に射的を楽しんでいる姿を見るとなぜか心が穏やかになり、見ている私も応援してしまいます。

こちらは祭り期間限定で設置される水族館です。水が濁って見にくいかと思われますが、水槽の中では鮎や岩魚(いわな) が所狭しと泳いでいます。家族連れの見学者たちに交じり、私もおもわず魚の動きに見入ってしまいました。大自然豊富な飛騨に住んでいるとはいえ、川魚をこのように間近でみる機会は、(食卓に並ぶ場合を除けば)、意外にも少ないことに気付かされます。その私の隣では、子供達が魚の一挙手一投足に大喜びです。

祭りの期間に合わせて、がったんゴーが帰ってきました。ご存知ない方のために、このイベントをご説明します。これは、平成18年に廃線になった神岡鉄道の線路を、”がったんゴー”の愛称を持つ改造自転車で走る、というものです。なんと今回は、カブ(原動機付自転車)に牽引される、トロッコも登場。より多くの方に、神岡の雄大な景色をお楽しみいただけるようになりました。10月の毎週土日にも体験できますので、ぜひご参加を。

お盆を過ぎれば、飛騨地方は涼しく過ごしやすくなり、短い夏が終わりを迎えます。
そして、いよいよ紅葉の秋へと季節は移り変わるのです。

2010年の一覧