奥飛騨だより

秋の運動会

2008年10月号

夏の間中あれほど喧しく泣いていた蝉はその数を急激に減らし、かわりに黄金色の稲穂が風に揺られて、さわさわと音を立てるのが聞こえてきます。稲刈りが押し迫ったこの時期、地元の神岡小学校では運動会が行われました。

天候に恵まれた9月6日の土曜日、神岡小学校の運動会をみるために、グラウンドには沢山の人が集まりました。児童とその家族、それから近所に住まう人たちなど、ひょっとしたら全神岡町民の何割かが、この日神岡小学校のグラウンドに集合したのかもしれません。
集まった観客は朝からお酒を飲むなど既にお祭り気分。それに対して子供達は競技を前に緊張しているのか、皆一様に真剣な顔つきをしていました。

開会式の後いよいよ競技が開始です。
様々な競技の中、面白かったのが綱引競技。この競技、綱を持った状態から競技開始となるのが一般的かと思われますが、神岡小学校の場合は一味違います。スタート地点に横一列に児童が並び、よーいどんの合図で、綱をめがけて全速力で走ります。そこから、「オーエス!!」という掛け声にあわせてひたすら 渾身の力をこめて綱をひきます。応援する側も自然と力が入ってしまいます。

運動会に夢中なのは何も子供たちばかりではありません。 ビデオカメラや一眼レフカメラを持った親で会場の周りはごった返しています。 自分の子供の晴れ舞台を少しでも写真を収めようと、まるで満員電車のように もみくちゃにされます。 親も年に一度の祭典を楽しみにしていたようです。子煩悩と言うべきでしょうか、 運動会前日には良い場所からわが子を応援したいと言う熱意から 「場所取り」という親同士の熾烈な競技も繰り広げられていたようです。

運動会の花形競技は、やはり団対抗リレーです。バトンをつなぐ児童一人一人が主役となり競い合います。観客からは、割れんばかりの声援が児童達に向けられます。
他の団に追い抜かれ、とても悔しそうな顔をした児童も居ましたが、 「頑張れ!!」という友達の声援、「頼んだぞ!!」とばかりに次のランナーへバトンを渡す姿に、熱い友情を感じずにはいられません。
そして、運動会のクライマックスは大玉ころがしです。さて赤白どちらが勝ったのでしょうか?

運動会が終わると飛騨地方も本格的な秋の訪れとなります。
紅葉を楽しむもよし、秋の味覚を楽しむもよし、皆さん思い思いの秋をお過ごしください。

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