奥飛騨だより

越中 五箇山 合掌集落

2014年12月号

皆様12月に入り寒さが身に染みてくるこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?本社のある神岡も朝は1~3℃で、もうすぐ雪が降りそうな気温です。 近くの数河峠では11月中頃に雪が降りました。今回は、世界遺産で有名な合掌造りの五箇山を紹介したいと思います。 「合掌造り」と言うと、白川郷をイメージされる方が多いかと思いますが、富山県出身の私が一押しの「五箇山」の見所をお届けさせて頂きます。

今回取材に行った五箇山は、本社のある神岡から飛騨清見ICを利用し、白川郷のある白川ICから更に15km程、富山方面に向かった五箇山ICで降りたところにあります。 距離としては神岡から約84kmにあり、2時間10分程掛かります。私は富山に住んでいるため、富山ICから五箇山ICを利用して1時間10分程で行く事ができました。

「合掌造り」とは、白川郷・五箇山の地域にみられる傾斜60度の切妻造り・茅葺き屋根の民家で、屋根が両手を合わせた合掌の形になっていることから、その名前が付いたとされています。

五箇山(菅沼集落)

五箇山(菅沼集落)

合掌造り

合掌造り

実は今回初めて合掌造りを見てきました。写真ではわかりづらいのですが、取材をした当日は雨が降っており茅葺き屋根が濡れておりました。 外から見ると雨漏りがいないかと少し心配しました。実際に建屋の中に入ってみると少し肌寒くは思いましたが、雨漏りなどはしておらず意外に快適な環境でした。

私が行った時期は、ちょうど雪囲いが始まる時期でありました。雪囲いには、木や竹で骨組みを作り藁で囲う昔ながらの道具が利用されており、今の家にはない風情がありました。

雪囲い

雪囲い

五箇山民俗館

五箇山民俗館

菅沼集落の近くにある、重要文化財の村上家にも行ってきました。村上家は約400年前に造られ、五箇山の合掌造りの中では、建設当時の姿のままを残している、大変貴重な合掌造りです。
菅沼集落の中にもありましたが、村上家の中では塩硝(えんしょう)と呼ばれる火薬の原料が作られていました。昔は、五箇山の各民家で作れており、作られた塩硝は加賀藩(石川県)に送られていたそうです。

村上家は、家の中を見学することができます。中は3階まであり、1階は塩硝の作製と生活スペースで、村上家でかつて利用されていた 箪笥や手鏡などの家具や道具がありました。 2階は、塩硝や養蚕(ようさん)をする道具があり、3階には「かんじき」や「わらじ」などがありました。 3階部分は、家の柱に板が張ってあり渡り廊下になっていましたが、「ギシギシ」と音がなり、少し怖いながら見て回りました。 特に、3階から2階に梯子で降りる際が、梯子段が急勾配になっていることもあり、一番怖いと思いました。

村上家

村上家

塩硝まや(1階玄関付近)

塩硝まや(1階玄関付近)

村上家の近くには拾遍舎(じっぺんしゃ)と呼ばれる蕎麦屋があり、お昼を食べてきました。蕎麦は、石臼引きの自家製粉に拘りがある美味しい蕎麦でした。 また五箇山は豆腐が有名で「五箇山豆腐」と呼ばれおり、縄でしばっても崩れないほど身がぎゅっと詰まった堅豆腐です。 拾遍舎では「合い盛り膳」を食べましたが、この料理では豆腐をお刺身として出されました。普通の豆腐と違ってしっかりとした豆腐で、濃厚な味がしました。

拾遍舎(じっぺんしゃ)

拾遍舎(じっぺんしゃ)

合い盛り膳

合い盛り膳

観光案内所に立ち寄ってきました。案内所では、どこの国・地域からやって来たのかシールで集計をしておりました。 シール集計の上の方を見てみる都道府県別の集計があり、地元の富山県が2位になっていました。 1位から下がった様で、少し残念な気持ちになりました。岐阜県を見てみると11位で、もし白川郷で集計したらランキングが逆転するでは?と内心思ってしまいました。

国・地域のシール集計

国・地域のシール集計

都道府県別ランキング

都道府県別ランキング

白川郷・五箇山の合掌造り集落は、日本でも数少ない世界遺産の1つになります。 岐阜県や富山県にこのような誇れる遺産があるので、もし白川郷・五箇山の近くを通ることがありましたら、休憩がてらに散策してはいかがでしょうか?

2014年の一覧