奥飛騨だより

飛騨 白川郷の冬景色

2015年1月号

突然の寒波により、大雪等の急激な天候変化で交通機関の乱れが多発する年末年始ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 新春の奥飛騨便りは、前号の越中五箇山の続編、世界遺産「白川郷」から156号線北上の旅をお送り致します。

2014年12月は雪の降り始めが早く、尚且つ一回の降雪量も多いように感じております。 積雪地帯にお住まいの方は「今年も雪のシーズンか」とうんざりされるかも知れませんが、今年でまだ4シーズン目の雪国ビギナーであります私はまだ雪が珍しくて、 雪下ろしがあまり苦になりません。下の写真が雪下ろし前と後です。 通路を走行出来るように除雪車が除雪した後には隅の方に片寄せられた雪が溜まるので、人力で全部よけてしまおうとすると、 氷点下の環境なのに汗をかいてしまうほど大変な思いをします。

出発前の車の状況(積雪40cm位)

出発前の車の状況(積雪40cm位)

およそ20分で除雪完了です。
写真ではわかりづらいですが、駐車していた後には結構な量の雪が残っています。
この状況に遭遇すると積雪地では「四駆」が必需品である事を痛感します。

雪を下して、エンジンが暖まったらやっと出発です。 今回のルートは、神岡から数河峠を越え高山方面へ抜けて飛騨清見インターから東海北陸自動車道路で白川郷インターへと向かいます。 途中飛騨河合パーキングエリアに立ち寄りました。

飛騨市河合村は、神岡と比較にならない程の豪雪地帯です。 気象庁のサイトでアメダスの積雪量を見ますと、神岡町の2倍位の積雪量があります。 今回立ち寄った際には思ったよりも積もっていなくて意外に感じました。 少ないとは言えども喫煙エリアは腰の高さ位まで雪で埋まっていました。 防雪シートで囲まれていなければ雪かきして喫煙しなければならない所です。

飛騨河合パーキングエリア

飛騨河合パーキングエリア

飛騨河合パーキング喫煙エリア

飛騨河合パーキング喫煙エリア

神岡から2時間程度で白川郷へ到着しました。 景観保全と安全対策の為に、ここ最近はメインストリートへの車の乗り入れが規制されています。 そこでせせらぎ公園駐車場へ車を駐車します。 観光バスや乗用車がたくさん止まっていて、さすが世界遺産の白川郷と感じさせます。

せせらぎ公園から出会い橋を望む。

せせらぎ公園から出会い橋を望む。

出会い橋を渡り終えた所に有る鳥居

出会い橋を渡り終えた所に有る鳥居

気温は恐らくマイナス2度位で白川としては比較的暖かい状況ではありましたが、 かなり雪が降っていた為カメラを出すのをためらいましたので写真が少ないですがご勘弁下さい。 観光客とすれ違う時にほとんど日本語が聞こえて来なくて驚きました。 数回訪れた中で日本人の方が明らかに少ない白川郷は初めてで、外国人の方の来日ブームを実感しました。

裏通りの様子

裏通りの様子

石に雪が積もって饅頭に見えます

石に雪が積もって饅頭に見えます

白川郷の代表的な「合掌造り」の写真はいたる所で目にされる事があるかも知れません。 今回は裏通りに的を絞ってみました。 フカフカに積もった雪を見ると、実際には冷たいにもかかわらず、暖かい物のように見えるのは不思議です。 上下の写真はカラーでの撮影ですが、白と黒のコントラストが強い為にまるでモノクロの写真のように見えます。

展望台から見る合掌造り集落1

展望台から見る合掌造り集落1

展望台から見る合掌造り集落2

展望台から見る合掌造り集落2

せっかく白川郷に来たのだから全景を見ようと思い、展望台へ行く事にしました。 合掌造り集落の中心にある荻町公園から、展望台へ行くシャトルバスが20分間隔で出ています。 片道200円で10分程度で展望台に到着します。 往復のバスの中で聞こえて来るのはまたも外国語ばかりで、まるで海外の観光地に来たかと錯覚するほどです。 高い所から見る白川の中心部は「この厳しい環境で人が生活するのは並大抵のことでないだろう」と思わせる厳しい風景です。 夏から秋にかけてはすがすがしい景色で、四季を通じて色々な風景を楽しむ事が出来る場所です。

五箇山 菅沼合掌造り集落 表示

五箇山 菅沼合掌造り集落 表示

五箇山 相倉合掌造り集落 表示

五箇山 相倉合掌造り集落 表示

景色を見て体が冷え切った所で、バスに乗って荻町公園まで戻り、自分の車まで戻って再び出発です。 先月号で取り上げられた越中五箇山を通り砺波市に抜ける156号線を北上します。 雪道を恐る恐る20km 程走行すると五箇山の菅沼合掌造り集落までたどり着きます。 菅沼合掌造り集落に行くのにエレベータがある!という所に越中の豊富な資金力を感じました。 ここでは相当な雪が降っていましたので、車の中から写真だけ撮影して素通りします。
再び156号線を北上して10kmほど走ると五箇山相倉(あいのくら)合掌集落に着きます。 今回は気力がなく通過としましたが、以前訪れた時には、落ち着いた良い雰囲気の場所だと感じました。 今でこそ岐阜県と富山県に別れてはいますが、建物の作りから考えますと文化交流が盛んであったのではないかと何の根拠もなく考えたりしました。
引き続き156号線を北上すると、飛越峡合掌ラインの別名を持つこの区間の見どころが訪れます。 富山県、岐阜県、富山県 と橋を渡るごとに県境がコロコロ変わるルートです。 冬は橋の上も積雪があり緊張しながらの走行になりますが、四季折々の見どころがある気持ちの良いルートです。 20㎞程走ると砺波市の市街地が見えてきます。山道を走る緊張感から一瞬解放されますが、ここから神岡までまだまだ60km以上あります。 気を引き締めて残りの距離を走る事になります。

今回は、神岡町から白川郷に立ち寄り五箇山を抜け砺波市という国道156号線の旅をお届けしました。 皆様も長期出張時でドライブ好きの方であればこのルートを走ってみてはいかがでしょうか。
(※冬のこの地域の走行に関しましては天候次第で通行規制等がありますので道路情報、気象情報等に充分注意の上ご走行下さい)

2015年の一覧