奥飛騨だより

奥飛騨ドラゴン

2015年6月号

飛騨地方も平地の雪はすっかり溶け、一面瑞々しい新緑の景色となりました。
天気の良い日は夏が来たかと思うほど気温があがる事もあれば、寒い日は10度を下回るなど、気温の差が激しい日が続きますが、体調管理にはお気を付け下さい。

今回はそんな気温差が激しい奥飛騨で行われている、熱帯雨林が原産地のとあるフルーツ栽培施設についてご案内したいと思います。
皆さんは「ドラゴンフルーツ」と呼ばれる果物をご存じでしょうか?
どちらかといえばまだマイナーな果物ですので、聞いたことはあるけど食べたことはないという方も多いのではないでしょうか。

ドラゴンフルーツというのは販売時の商品名がそのまま、果物の名前として定着したもので、本来の名前は「ピタヤ」といいます。
サイズは大き目の鶏卵ぐらいの物から大きな物は15㎝程度まで様々で、大きな物の中には1㎏を超える程に育つ種類もあるそうです。
外見は主に赤色ですが、黄色の物もあり、果肉の色は、赤、白、黄色、ピンク、紫等、様々で、色調もゼリーの様な半透明な物から、毒々しい程真っ赤な物まで様々です。

そんなドラゴンフルーツを、この雪深い奥飛騨で栽培しているのが今回お邪魔した「FRUSIC」さんです。
三井金属ユアソフトのある神岡町から車で30分程の温泉街”栃尾(とちお)温泉”にある「FRUSIC」さんは温泉の熱を利用した設備により、 本来温暖な気候でしか栽培できない「ドラゴンフルーツ」を栽培され「奥飛騨ドラゴン」として販売されています。

道路沿いの店舗ではドラゴンフルーツやジャム等の加工品の販売も行われていますが、裏手にある栽培施設の中もみせてもらえます。(昼200円、夜400円)
当日は、あいにくの天候で少し肌寒い気温でしたが、施設の中はとても暖かく動かなくても汗ばんでくる程でした。
熱帯雨林地帯のフルーツですので、バナナの様な大きな葉が沢山の木を想像してしまいますが、このドラゴンフルーツの木、実はサボテンの一種だそうです。
施設の中はご覧の通りサボテンが、ところ狭しと並んでいてなかなか壮観です。

サボテンの節にある突起から、芽が出てきて花が咲き、果実に育っていきます。
ドラゴンフルーツの花は、見た目も見事でとても良い香りがするそうです。
開花は夜で、しかも一晩しか咲かないということで、花を見るのはなかなか難しそうですが、タイミングが良ければ一面に白い花が咲く景色が見られるそうです。 (シーズンによっては夜も見学させてもらえるそうです)

温室栽培とはいえ栽培は実際の季節と関係しているそうで、あいにく伺った時期に収穫できるものは1種類だったのですが、もうしばらく待てば様々な種類の実がなるとの事でした。

さっそく購入していただいてみました。
そのお味は…中々説明が難しいですが、あえて近い物を上げるとすると、味は洋梨の風味に少し近く、食感はキウイフルーツとアロエを合わせたものといった所でしょうか。 (個人の感想なので、食べてみて全然違ったらごめんなさい)
低カロリーで栄養価が高く、健康食品としても非常に優れているそうです。

回りには無人運営の露天風呂や足湯もあり、景色もとても良い場所です。
お近くまで来た際には、奥飛騨にある小さな南国を見学してみてはいかがでしょうか。
その時はぜひ「奥飛騨ドラゴン」を味わってみて下さい。
ちょっと風変わりな温泉土産としてもおすすめします。

<有限会社FRUSIC>
http://www.frusic.co.jp/
電話:0574-25-7183 ファクス:0574-28-1555

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