今年の吉凶を占う-管粥(くだがい)神事-
2016年1月号
新年、明けましておめでとうございます。今年も奥飛騨から様々な四季の模様をお届けいたします。
どうかご愛読の程よろしくお願いいたします。
皆様、初詣には行かれたでしょうか?そこで、おみくじをひいて今年の吉凶を占うことを毎年の恒例行事とされている方もいるのではと思います。今年最初の奥飛騨便りは、高山市丹生川町に伝わる全国的にも珍しい、占い神事を紹介したいと思います。
高山市丹生川町旗鉾にある伊太祁曾(いたきそ)神社では、毎年1月14日に「管粥(くだがい)神事」と呼ばれる、その年の運勢を占う神事が行われています。
伊太木曽神社は弊社のある神岡町から1時間15分ほどの、北アルプス乗鞍岳のふもとにある神社です。
※掲載している写真は昨年1月14日の様子です。
神社の鳥居 昨年は大雪でした
この神事は約620年前(室町時代)から伝わり、高山市無形文化財に指定されている伝統行事です。寒ざらしにした麻の茎を六センチほどの長さに先をななめに切り、お粥の材料になる米、小豆、大豆やひえ等と一緒に大釜で炊きます。
使用する麻は、この神事のために地元で栽培しています。麻は麻薬成分が無いものの、栽培するには許可が必要なため、申請を行い指定された場所で指定された量を育てて収穫しています。
高山市無形文化財に指定
神事で使用する釜戸
麻の茎にはその年の農作物の作況・鳥獣被害・気象・景気はもちろんのこと、プロ野球の優勝チームなど世相を反映するようなイベントの予想等、約140項目の占い事を記した木札を付けて大釜に投入します。
釜戸着火
プロ野球ペナントレース占い
煮立ったら釜上げし、神前にお供えしたあとに、麻の茎を一つずつ切り開き、おかゆの入り具合や具の内容によって方策を占います。具の内容は、なし→汁→お粥→小豆→大豆の順に良いとされ、豆が入るのはかなりレアな現象のようです。また、ななめに切られた先を1月、根本を12月として、具の入っている場所により時期を特定します。
占いの方法…
管を神社に御供え
過去には、2006年トリノ冬季五輪女子フィギュアスケート競技の荒川静香選手の金メダル獲得を的中させ地元では話題となりました。昨年はクマの出没数は少ないと予想され、こちらも的中しました。
管を切開して記録票へ記帳
プロ野球ペナントレースの予想は?
今年の管粥(くだがい)神事は、2016年1月14日(木)に行われます。どのような占いが行われるのか、どんな結果になるのか楽しみです。
(結果は1月20日頃、本ページでお知らせいたします)
神事後には、参拝者にもお粥が配られ、これを食べると一年間元気で過ごせると言われています。
参拝者への振る舞われるお粥
占いは良い結果も悪い結果も出ることがありますが、神事のお粥をいただき、無病息災を祈念しながら、良い結果だけを信じて今年1年穏やかに過ごしたいと思うところです。
本年も皆様にとって良い年でありますように。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
--2016年1月20日 追記--
2016年1月14日に行われた管粥神事の結果をお伝えいたします。
・景気は平年並み
・天候は台風と霜に注意。雪は少ない
・農作物は全体的に好調。特にカボチャ・ワラビが豊作
・獣害が増えそうで熊やイノシシに注意
・プロ野球はセ・パ両リーグともに混戦となる
<神事の詳細はこちら>
飛騨乗鞍観光協会
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