奥飛騨だより

高山城史跡と城山公園

2016年5月号

 飛騨高山の観光といえば、高山祭(春・秋)や古い町並み等が挙げられますが、今回は高山市の公園となっている高山城史跡と城山公園(二之丸)の様子をご紹介します。
 古い町並みのほど近くに城山という小高い山があり、その頂上に高山城がありました。地元でありながらまだ登った事が無かったため、休日に出かけてみることにしました。
 何の気なしの散歩のつもりでしたが、頂上の本丸までの道は細く、急こう配の山道が続きました。

史蹟 高山城址

史蹟 高山城址

本丸まで細く急こう配の山道が続く

本丸まで細く急こう配の山道が続く

 ようやく頂上の本丸につきましたが、現在は跡地となっているため、大広間等がここにあった事を示す標石が立てられているのみでした。高山城本丸の復元想定図もありましたが「屋形」となっており、想像していたような天守閣がある城では無かったようですが、独特の城郭構成で、かつて「日本三名城」とも言われていた程の綺麗な城だったそうです。
 高山城は、天正16年(1588年)に築城され、慶長5年(1600年)までに本丸・二の丸が完成し、慶長8年(1603年)までには三の丸が整備されたとの事で、15年という長い年月をかけて城郭が作られたようです。築城と同時に城下町の整備も進められました。しかし、元禄5年(1692年)に、飛騨国は江戸幕府直轄領となって高山陣屋によって治められるようになったため、残念な事に高山城は廃城となってしまいました。

本丸跡地

本丸跡地

高山城本丸屋形 復元想定図

高山城本丸屋形 復元想定図

頂上の木々の間から見下ろす町並み

頂上の木々の間から見下ろす町並み

 本丸を通り抜け反対側から山を下りていく途中で、年配のご夫婦に声を掛けられました。「頂上はまだですか?」との問いかけに、「もうすぐですよ」と答えると、にっこりとされて元気に登って行かれました。
 もうすぐ下りきるという所で、子供達のはしゃぐ声がしてきました。声のする方を見ると城山公園(二之丸)が見えてきました。休日という事もあり、桜の木の近くで花見をされている方や家族連れで遊びに来ている方などで賑わっていました。以前私も花見をしに来たことがあり、のんびりと過ごせた記憶があります。
 公園の中ほどには、金森長近(かなもりながちか)公の像が立てられています。戦国時代に高山周辺を治めていたのが三木自綱(みつきよりつな)でありましたが、越中の佐々成政(さっさなりまさ)と同盟して豊臣秀吉に敵対したため、秀吉の命により越前大野城主であった金森長近に攻められ降伏しています。この功績により、金森長近が飛騨国を治める事となりました。高山城を築城したのが金森長近公になります。

城山公園(二之丸)

城山公園(二之丸)

金森長近公之像

金森長近公之像

 暫く公園でのんびりした後、帰路につきました。
 城山公園(二之丸)は、古い町並みからほど近く400m位です。「森林浴の森百選」にも選ばれているそうで、季節に合わせて水仙、梅、椿、桜等の花木が咲き揃い年間を通して楽しめる場所となっています。
 また、飛騨高山まちの博物館では、高山城の復元模型や城下町の地図、鎧などの展示もあり当時の様子がうかがえます。
 高山観光にお見えの際は、飛騨の戦国時代に想いを馳せ、一息ついて公園でのんびりするのは如何でしょうか。

■城山公園HP(高山市)
http://www.city.takayama.lg.jp/shisetsu/1004139/1000036/1001575.html

■飛騨高山まちの博物館HP(高山市)
http://www.city.takayama.lg.jp/machihaku/

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