奥飛騨だより

TOYAMAキラリ(富山市ガラス美術館、富山市立図書館)

2016年6月号

 今回は、富山県富山市にある「TOYAMAキラリ」という、ガラス美術館と市立図書館が一緒になっている施設に行ってきました。
TOYAMAキラリは、2007年9月に移動した富山大和(百貨店)の跡地に建てられ、2015年5月に完成しました。外観は、ガラス、アルミ、御影石を利用しています。縦に貼られているのは立山連峰の峰々の山肌を表現したものだそうです。 富山市は以前より「ガラスの街」の街づくりに取り組んでいて、外壁にガラスが多く使われている理由もそこにあります。

TOYAMAキラリの外観

TOYAMAキラリの外観

TOYAMAキラリの入口

TOYAMAキラリの入口

 中に入りますと、1階フロアにはガラス美術館の展示物鑑賞の受付があり、入った時間が良かったのか人が少なく、ゆっくり見て回れると思いました。
私は今回初めてTOYAMAキラリに来たので、ガラス美術館を鑑賞してきました。チケット(企画+常設展示)を700円で購入し、受付の方から「6階の展示物から見たほうが、見学するルートとして見やすい」とアドバイスを貰ったので、6階の展示物から見て回ることにしました。

6階の展示物は「デイル・チフーリ」の作品が置いてありました。鑑賞した際は、よく知らなかったのですが、その場でスマホから調べると現代ガラス美術作家の巨匠ということが分かりました。また、この作品は写真撮影が許可されていたため撮影をしました。

作品名:シャンデリア

作品名:シャンデリア

作品名:トヤマ・ペルシャン・シーリング

作品名:トヤマ・ペルシャン・シーリング

 入り口から少し進んだ場所の天井に最初の作品がありました。作品名は「シャンデリア」で、先端を見てみるとうねうねとしており、とてもガラスで作られたとは思えませんでした。また近くで良く見てみると、別々のガラスをワイヤーで縛りつけて形を作っていましたが、この形にするにはどうすれば良いのか不思議で「知恵の輪」の様に見えました。
展示物を進んでみていくと、天井に作品が吊ってあり、下から覗くようになっていました。
最初は、カラフルな花に見えましたが、実は海の生き物でした。ヒトデや貝に交じって、良く見ると天使がいました。皆様も行かれた際は、是非とも天使を探してみて欲しいです。

作品名:トヤマ・フロート・ボード

作品名:トヤマ・フロート・ボード

作品名:トヤマ・ミルフィオレ

作品名:トヤマ・ミルフィオレ

 たくさんの大きなガラスフロート(浮球)が笹舟の上に乗った作品が展示されていました。6階の最後の展示物は、南国にいると思うような、とてもカラフルな作品でした。ガラスは透明で冷たいという印象があったのですが、表現次第ではその印象を変えさせられると思いました。
6階から下の階へは、エスカレータを利用しました。エスカレータで降りながら周りをみてみると、木材をふんだんに使い天井のガラスからも光が入り、外観からの印象とは違ったやわらかい感じがしました。5階に降りたところで5階フロアの中央部分が吹き抜けとなっており手すりから下を覗くと、垂直かと思っていた吹き抜けが傾斜し、通常の吹き抜けとは違いとてもおしゃれな感じを覚えました。

5階から覗いた図書館

5階から覗いた図書館

図書館1

図書館1

 下の階へ降りながら、スマホでTOYAMAキラリのことを調べました。TOYAMAキラリは、「隈 研吾(くま けんご)」という建築家がデザインをしていました。代表的な建物は、銀座の「歌舞伎座」・2020年の東京オリンピックで新国立競技場のデザインをしています。
図書館を見て回りましたが、多くの人が図書館を利用し本を読んだり勉強をしたりしていました。図書館は静かな場所ですが、ここは木材を利用し仕切りもないため、開放的で温かみもありとても集中しやすい環境でした。自分も勉強をする際はここに来て勉強をしたいと思いました。
4年後の東京オリンピック新国立競技場は、日本らしい「和」をイメージしたデザインになるとWebで見ました。「TOYAMAキラリ」と同じ雰囲気になるのか、それとももっと違う感じになるのか、2020年の東京オリンピックを改めて見に行きたいと思いました。

図書館2

図書館2

2階から見上げる

2階から見上げる

 3階へ降りたら、ガラスの企画展室がありました。写真撮影が禁止のため掲載ができないのですが、印象に残る作品が多くありました。印象に残ったものを簡単に紹介しますと、「Blade man」は日本刀の刃の部分をガラスで表現されており、シリーズで何点もありました。「風のままに」は団扇で風を起こして作品を揺らし、作品を照らしている光が地面に反射しその影をみるものもありました。

富山は2015年3月より新幹線が開通し、最近関東方面からも多くの旅行者が来ております。TOYAMAキラリは富山市の中心部にあり、富山駅からの市内電車(セントラム)で10分という近い場所にあります。
富山に観光で来られた際は、「隈 研吾」のデザインした建物とガラス美術館を見学に来られてはいかがでしょうか。

■TOYAMAキラリHP
http://toyama-glass-art-museum.jp/

■隈研吾建築都市設計事務所HP(TOYAMAキラリ)
http://kkaa.co.jp/works/architecture/toyama-kirari/

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