奥飛騨だより

ホタルと夜の富山ファミリーパーク

 梅雨に入ってしばらくはカラ梅雨の空様相でした。ここ数日は大雨が降る不安定な天候が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。梅雨後半の奥飛騨便りは、夜の動物園をご紹介します。
 神岡町から一番近い動物園と言えば、富山ファミリーパークです。この動物園は昭和59年に開園しました。雷鳥の保護、人工飼育に取り組まれており、雷鳥を飼育する建物は他の動物たちとは明らかに違い、力の入れ方がわかる立派な建物です。また、この動物園のキャッチフレーズは「森を元気に、人を元気に」というもので、里山の生態系に着目しており、森の中に動物園があるような、自然が豊かな動物園です。以前はすべてのエリアが有料だったのですが、現在は有料ゾーンと無料ゾーンに分かれています。無料ゾーンとは言え、立派な休憩施設やポニーの乗馬、ヒツジへの餌やり等、充分に楽しめるエリアとなっています。有料ゾーンには、トラ、キリン、シマウマ、クマ等見応えのある動物たちがいます。さすが北陸の動物園と感じるのは、カモシカが飼育されている事です。普通のシカ(ニホンジカ)は奈良公園でも有名ですが、九州出身者の私は、カモシカはこちらに来て初めて目にしました。全体的なイメージは「ウシのようで、シカのようで」という感じです。背中の体毛だけを遠目で見ると、クマと見間違えそうな感じもあります。
今回は、そんな富山ファミリーパークのイベント「ホタルと夜のファミリーパーク」をご紹介します

正面ゲートです。子供たちが喜びそうな看板があります。

正面ゲートです。子供たちが喜びそうな看板があります。

ファミリーパークのイメージキャラクター、里ノ助の空き缶回収BOXがあります。

ファミリーパークのイメージキャラクター、里ノ助の空き缶回収BOXがあります。

 通常の営業時間は午前9時から午後4時30分ですが、6月24,25,26日の3日間は、「ホタルと夜のファミリーパーク2016」というイベントで、開園時間が午後9時30分まで延長されていました。有料ゾーンのすべてが午後9時30分まで解放されている訳ではありませんでしたが、正面ゲートから入ってすぐのエリアの動物は見る事が出来ました。真正面にはフラミンゴ、少し奥にキリンとシマウマ、その近くにトラがいます。昼の暑い時間帯に行くとグッタリしている動物たちも、夕方の涼しい時間帯に行くと、とても活発に動いています。

残念ながら当日は空模様が悪く、キャンドルナイトというイベントは中止でした。

残念ながら当日は空模様が悪く、キャンドルナイトというイベントは中止でした。

今までは寝ている姿しか見た事が無いトラでしたが、夕方はまじめに起きていました。

今までは寝ている姿しか見た事が無いトラでしたが、夕方はまじめに起きていました。

 トラ舎の後ろには、ふれあい広場があります。柵の中でブタとヤギが自由に動き回っていました。また、モルモットやウサギとも触れ合う事が出来ました。殺伐とした人間社会で生活していると、このような小動物とのふれあいでとても癒されます。アニマルセラピーという治療がありますが、まさにその事を実感しました。

近くにある木の葉を食べようと舌を伸ばしています。長い舌です。

近くにある木の葉を食べようと舌を伸ばしています。長い舌です。

ブタの体毛はとても固くてびっくりします。

ブタの体毛はとても固くてびっくりします。

ヤギは崖のぼりが得意です。2m半の木の上でこの姿勢が維持出来るのはすごい事です。

ヤギは崖のぼりが得意です。2m半の木の上でこの姿勢が維持出来るのはすごい事です。

モルモットはとてもおとなしく、子供たちが膝の上に乗せても暴れていませんでした。

モルモットはとてもおとなしく、子供たちが膝の上に乗せても暴れていませんでした。

不思議な事に、このウサギは低い板で囲まれている箱から脱走しようとはしません。

不思議な事に、このウサギは低い板で囲まれている箱から脱走しようとはしません。

郷土動物館には、里山に生活する生き物たちを展示してあります。

郷土動物館には、里山に生活する生き物たちを展示してあります。

おそらく、どこにでもいるドブネズミです。もう少し良い名前があっても良いのではないかと思います。(例:ミゾネズミ とか)

おそらく、どこにでもいるドブネズミです。もう少し良い名前があっても良いのではないかと思います。(例:ミゾネズミ とか)

ホタルが見える場所は、午後7時45分からの通行可能でした。

ホタルが見える場所は、午後7時45分からの通行可能でした。

 郷土動物館の中には、小川で生活する小魚や、ヘビ、フクロウが展示されています。フクロウの足元には、エサのひよこが落ちていて一瞬ギョッとしましたが、フクロウだって食べなければ死んでしまいます。当たり前の事ではありますが、小さな子供たちには楽しい動物園で、いきなり厳しい現実を見せられて大丈夫だろうかと心配になりました。ドブネズミの展示もあって、正確に里山の生き物を紹介しようとする姿勢が感じられる郷土動物館でした。
郷土資料館の隣には、タヌキ、キツネのエリアがありました。神岡に住んでいると、頻繁に出くわす「目の前を一瞬横切る動物たち」ですが、動物園ではゆっくり見る事が出来ます。
その奥が、里山の生態系を維持している森です。そこには小川が流れていてホタルがいます。同日は開門1時間位前まで風雨が強く、あちこちから「この天気ではダメではないか」という声が聞こえていました。それでも午後7時30分位からホタルのお宿入口に人が並び始めて、最終には数百メートル位の長い列が出来ました。ラッキーな事に開門直前には天候が回復してホタルが飛ぶ所を見る事が出来ました。すぐ近くに市街地がある環境でホタルが生息できる環境を維持するのは大変なことだろうと感じました。
(残念ながらホタルの光はとても弱くて写真に収める事は出来ませんでした)

 ホタルを見た後の順路は無料ゾーンへの出口でした。既に周囲は完全に日が暮れて暗闇でしたが、休憩する建物の明かりで足元に不安はありませんでした。今回訪れた富山ファミリーパークは、昼間に訪れる動物園とは違った感じで興味深く見て回る事が出来ました。

日本各地にある動物園は、それぞれに特色をもって活動されているようです。みなさんも近くにある動物園で生き物たちに癒されてはいかがでしょうか。

■富山市ファミリーパークHP
http://www.toyama-familypark.jp/

2016年7月号

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