奥飛騨だより

「飛騨高山の二十四日市」

2017年02月号

 今回は岐阜県の観光地 飛騨高山で毎年1月24日に開かれる新春恒例の「二十四日市」の様子をお伝えします。

二十四日市

二十四日市

「二十四日市」は、高山市の中心にあたる商店街「本町通り」全体を歩行者天国とし、約700mに渡って屋台が立ち並びます。 今年の市は氷点下の冷え込みで、雪もちらつき、飛騨高山らしい二十四日市となりました。 江戸時代より、この市は高山市近隣の農家の方々が休耕期の冬の間に作った手工芸品を扱う事で有名だそうです。

 現在も、飛騨高山の手工芸品「編み笠」などが多く出品されていました。私の実家も細々と兼業農家を営んでおり、小さい頃に「編み笠」被った記憶がありましたので、懐かしさに1品 買い求めました。

編み笠

編み笠

編み笠(購入)

編み笠(購入)

 「江名子バンドリ」と呼ばれるわらで作った蓑(みの)も出品されていました。国の重要無形文化財ではあるものの、お店の方に薦められ、試着させてもらいました。実際に着てみると思ったより軽く、動きやすい機能的な衣装だと感じました。現在、この衣装は主に装飾品として扱われており、数年ぶりの出品ということもあってか、最終的には完売したとのことでした。

江名子バンドリで作った蓑(みの)

江名子バンドリで作った蓑(みの)

蓑(みの)試着

蓑(みの)試着

 食事の屋台も豊富で、地元・飛騨清見から「よもぎだんご」という団子も出店されていました。
 飛騨地方で「あぶらえ」と呼ばれている貴重な荏胡麻がかかった団子で、独特の風味を味わうことができました。

二十四日市の出店

二十四日市の出店

よもぎだんご

よもぎだんご

商店街の火消しの凧

商店街の火消しの凧

二十四日市の賑わいの少し上空には、江戸時代の名残りを感じる商店街の火消しの凧が飾られていました。 今回は取材しませんでしたが、商店街の脇道に入ると火の見櫓(やぐら)がそびえ、飛騨高山の木造の家々を守ってきた防災の歴史も垣間見ることができます。 現在は1月24日で定着したこの市ですが、明治時代までは正月用品を扱う「年の瀬市」として12月24日に開かれていたそうです。 しかし、明治5年12月2日の翌日、12月3日を明治6年1月1日にして旧暦から新暦へと改暦された際に、12月24日から1月24日へ開催日が変わり、現在に至るそうです。

 皆様も江戸時代から続く「二十四日市」で飛騨高山の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

(参考)
高山市観光課 二十四日市

http://kankou.city.takayama.lg.jp/2000006/2000017/2000118.html/

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