INTERVIEWリアルモデル for IT
業種
IT
対象
本社
期間
3ヶ月
多くの企業に共通するこの課題に対して、福岡に本社を構える情報サービス業のIT企業A社様は、リアルモデルを活用することで、わずか3ヶ月でSAPを導入し、課題を解決しました。
INTERVIEW
IT企業A社
マネージャー
J氏
POINT
「既存のシステムをシンプルな構造で再構築し、同時に保守・運用の効率を向上させ、トータルなシステムコストを削減する。加えて業務改善を図ることです。」IT企業A社の事業本部、流通・製造第一事業部マネージャーのJ氏は、SAP導入の狙いをこのように語ります。同社の基幹業務系は、営業管理システムと収益管理システムを自社で開発し、そこに商品仕入や外注購買、債権債務、人事・給与などのシステムが後から加わり、さらに経理関連のパッケージ製品が相乗りした構成になっていました。バッチ処理で連携は図っていたものの、統一されているとは言い難い状態でした。
業務改善のポイントは、次の3つに要約されます。
1つ目は「マスターやコード体系を統一し、情報の一元化を図り、経理部門のオペレーションを軽減すること」であり、それは「ペーパーレス化を促進し、帳票を30%削減する」という現実的な目標を伴っています。
2つ目は「原因調査を迅速化すること」です。たとえば、営業期間を「上期」「下期」から「四半期ごと」、さらに「月」「日」へとより下位の階層にディメンションを下げ、詳細に分析するドリルダウン(drilldown)などが想定されました。
3つ目は「分析手法を駆使し、経営意思決定の迅速化をシステム面から支援すること」です。
社内でシステム刷新の検討が始まったのは夏のことでした。そして9月には、SAPの採用が決定しました。情報の一元化をワンファクト・ワンプレイスで実現し、ベーシックな企業活動を支援するベスト・プラクティスとしての実績を、同社が熟知していたからです。しかし、大きな問題がありました。それは、納期とコストです。計画当初からカットオーバーの目標は翌年4月と定められており、時間をかけず、かつコストも抑える切り札として着目されたのが、テンプレート方式のリアルモデルでした。
調べてみると、リアルモデルは三井金属グループ約60社に導入されている実績があり、短期導入のための導入方法論が明確で、十分に納得できました。
「組織、勘定科目、得意先、仕入先、品目という5つのマスターを登録するだけで、SAP上に基本的な企業モデルを構築し、1週間程度で稼働できるのが導入の最大の決め手でした」とJ氏は語ります。
「計画段階で、その後のスケジュールと予算が明確になるというのも大きな魅力ですね」とも指摘します。
実際、同社がリアルモデルの採用を決めたのは10月末、プロジェクトは11月に開始し、12月にビジネス設計に着手、本番環境の構築は翌年2月後半には完了しました。実質3ヶ月未満でSAPを導入したのです。
短期間で導入するための工夫として、同社では業務そのものをSAPの標準に合わせ、リアルモデルに標準搭載されている200本以上のアドオンプログラムを活用することで、開発工数を極力抑えました。
新システムの中では、プロジェクト別収益管理は必須でした。複雑な経費配賦なども、リアルモデルで標準提供されている「特別周期プログラム」を使うことで対応できました。また、マスターや残高移行、さらには単体テストやシステムテストに欠かせないテストデータの作成についても、標準で搭載されている汎用バッチインプットツールを活用できたため、プログラムを1本も作らずに済んだといいます。
「リアルモデルなくして短期導入はありえませんでした」と同氏は評価します。また、「Web版の操作マニュアルが充実しているのも強みです」と指摘します。最初からマニュアルを参照できるため、初めての画面でも操作が可能であり、知らないモジュールでもパラメータの設定が行えます。3名の体制で運用支援を行う上でも欠かせない存在だといいます。
「IT企業A社のプロジェクトメンバー全員がSAPのビッグバン導入は初めてだったうえに、業務上の変更点に関する社内調整に手間取りましたが、そうでなければ2ヶ月での導入も十分可能だったと思います」と締めくくりました。
※記事内容は、取材当時のものです。