INTERVIEWリアルモデル for IT
業種
IT
対象
本社
期間
3ヶ月
と“変身”を遂げたIT企業B社は、SAPを使った新システムをスピーディーに実現させました。プロジェクト担当者が全員兼務という体制であったにもかかわらず、短期間で導入できた理由として、リアルモデルの存在は見逃せません。
POINT
企業の業務内容が変わると、システムもそれに対応する必要があります。スピードや既存システムとの整合性も、もちろん欠かせません。グループ内のシステムサービス社を母体とし、大手総合商社系や総合電機メーカー系などが出資して誕生したIT企業B社も、まさにそうした課題に直面していました。前身企業時代の業務は業務用AV機器などのメンテナンスが中心でしたが、新会社ではAVとITを活用したソリューションビジネス全般を提供する企業へと、大きく“変身”を遂げました。それに伴い、「ソリューション企業としての情報インフラを、できるだけ短期間で構築すること」が急務となったのです。
同社はこの緊急課題を解決するために、「既存システムを拡張する」「システムを新たに構築する」「ERPパッケージを導入する」という3つのケースを想定し、検討を進めました。既存の業務システムを活かそうとすれば、システム変更に膨大な工数がかかり、ハードウェアへの追加投資も必要になります。「そこまでして既存システムに固執するメリットはない」という結論に至りました。また、オリジナルの業務システムを新たに立ち上げるには、費用や時間の面で現実的とはいえません。こうした経緯を経て、現実的な方向性として浮上したのがERPパッケージの導入でした。そして、同社が検討を進めたのは、まったく新しい形である「テンプレート」での導入でした。
いくつかのERPパッケージとテンプレートをセットにした検討が始まりました。結果として、基幹アプリケーションには、国内ERP導入実績No.1を誇っていたSAPをベースとしたテンプレート「リアルモデル」の導入を決定しました。その選定理由は、三井金属グループ約60社で実際に稼働しているシステムのノウハウが結集されたリアルモデルが、SAPのテンプレートが少なかった2001年の導入初期から高い完成度と自由度を誇っていたからです。
情報インフラの整備を急務としていた同社は、リアルモデルの採用を決定し、SAP導入プロジェクトを発足させました。プロジェクトには10名のスタッフが参加しましたが、いずれも各部署との兼任でした。専任制をとれないという不安も当然ありましたが、当時としては異例とも言える3ヶ月でのSAP導入を実現しました。
それを実現した背景には、「短期間にシステムを導入する」という経営層の強い意志と、プロジェクトリーダーのリーダーシップがあったのはもちろんですが、リアルモデルの存在も見逃せません。実際、当時の担当者は「リアルモデルを使えば、最初からできると思っていました」と振り返ります。会計システムは本来、企業間での差が少なく、むしろ実際に稼働しているシステムをベースにしたテンプレートを使えることへの安心感のほうが大きかったと付け加えます。
さらに、「旧来のシステムに固執せず、テンプレートの特性を存分に活用したことが成功の秘訣でした」と、当時のプロジェクトリーダーは指摘します。同社のSAP導入を成功に導く上で、リアルモデルが果たした役割は非常に大きかったといえます。
※記事内容は、取材当時のものです。