INTERVIEWリアルモデル for 会計

IT企業D社様

業種

IT

対象

国内グループ会社5社

期間

3ヶ月

導入プロセス

導入プロセス

  • ビジネス設計:組織・マスタ設計、プロト構築
  • ベースライン:プロトタイプ検証、GAP対応検討
  • 実現化:追加設定・開発、システムテスト
  • 稼働準備:データ移行、運用テスト、操作教育

1システムで、3ヶ月という短期導入を実現

ホールディングカンパニー(持株会社)制に移行し、傘下の子会社の独自性を保ちながら、グループ全体としての総合力の発揮を目指す企業が増えています。それに伴うシステム変更に頭を悩ませる企業も少なくありません。IT企業D社を含むグループ会社では、傘下5社の経理システムにリアルモデルを採用しました。

INTERVIEW

  • IT企業D社
    常務取締役

    J

  • IT企業D社
    部長

    T

POINT

  • グループ会社再編が決まった4.5ヶ月後には、再編後のグループ5社が共通利用するシステムを立ち上げなければならなかった。
  • RFPを作成している時間はなく、リアルモデルの要件確認シートを用いて範囲・内容とともに費用を合意して、SAP導入をスタートさせた。
  • 弊社の体制は、3名(リーダ、会計2名)
  • 業務要件については、ほぼ全ての要件がテンプレートで実現できた。
  • 既存システムとのインタフェースもテンプレートのデータ連携ツールで対応できた。
  • アドオン開発は5本で済み、大半はインタフェースであった。

持株制への移行にあわせて、システムの統一が検討されました。

グループ再編が決まり、それに伴い情報システムも短期間で刷新・統一されるというケースは、最近では珍しくありません。IT企業D社のJ常務取締役も、まさにこの問題に直面しました。大手民放のキー局Aは、番組制作系子会社4社の業務に重複があった部分を見直し、機能別に会社を再編しました。さらに、これら4社を束ねる形で「制作事業統括会社」(持株会社)を新たに設立するというグループ再編を、11月16日に発表しました。翌年4月1日の事業開始に合わせて、5社で統一して稼働する会計システムの構築が求められたのです。既存のレガシーシステムでは、連結決算業務のスピードアップはすでに限界を迎えていました。
システム統合の準備はすでに水面下で進んでおり、内外の各種ERPパッケージ製品を検討した結果、SAPの導入までは決まっていました。しかし、その先が課題でした。4月1日のカットオーバーは厳命であり、かつ予算内に納める必要があったからです。
リアルモデルを知ったのは、カットオーバー前年の12月頃でした。きっかけはSAP社からの紹介です。急ピッチで検討が進み、確実に、短期間かつ予算内で導入できるという判断から、リアルモデルの採用が決定しました。

三井金属グループでの稼働実績を重視し、
リアルモデルを採用しました。

「最後の決め手は、三井金属グループの約50社以上で“現実に”使用され、機能が実証されていたことでした」と、J常務は語ります。「同じテンプレートでも、実際に稼働しているシステムのノウハウが凝縮されているものなら、確実に機能するという判断もありました」とも話します。進行役を務めたT部長は、「三井金属グループでは1つのシステムで全社が稼働している点も魅力でした。会社ごとに別々のシステムを立ち上げるのではなく、1つのシステムを共用できるのは大きなメリットです」と付け加えます。
年明けの初会議には、持株関連5社の経理担当者各2名、大手ITインフラソリューション企業からベーシス担当6名、プロジェクト全体を統括するIT企業D社6名、そして三井金属ユアソフトから3名の、合計25名が参加しました。残された時間の中で、既存の会計業務を見直しながら、テンプレートをいかに活用するかの検討が進められました。当初、大手民放のキー局A側のメンバーにはSAPに関する知識がなく、三井金属ユアソフト側にはメディア業界の知識がなかったため、「双方にズレもありましたが、進行するにつれてそのギャップも解消され、コミュニケーションはスムーズになりました」とJ常務は振り返ります。T部長は「レガシーシステムとSAPとの同期をとるのは難しかったのですが、これもクリアできました」と話し、さらに「各社でバラバラだった勘定元帳や勘定科目を統一する作業を通じて、会計のあり方を再認識する貴重な機会にもなりました」と付け加えます。
こうして進められたSAP導入プロジェクトは、予定通り4月1日に無事カットオーバーしました。コスト面でも予算内に十分収まり、アドオンも5本程度と想定範囲内にとどまりました。

今後もリアルモデルを活用したシステムを
展開していく予定です。

「3月の期末決算業務と並行しながら、3ヶ月で導入できたのは、とにかく『4月には導入する』という共通認識のもとで、三井金属ユアソフトがプロジェクトを強力に推進してくれたことが大きい」と、J常務は分析します。さらにT部長は「三井金属ユアソフトのプロジェクトリーダーの人柄も、大きな要因でした」と語ります。的確な説明でプロジェクトをリードし、安心して任せられるという雰囲気が、初会合の段階からすでに醸成されていたといいます。
また、「ステップ0ともいえる1月後半の段階から、全員が実際の機能を目で確認しながら作業を進められたことも、大きな助けになりました」と振り返ります。導入されたリアルモデルによる新統合会計システムは、6月末の第1四半期決算に向けて、順調なスタートを切っています。
今回のシステム導入により、大手民放のキー局Aグループ企業19社のうち、5社の経理基盤統合が実現しました。IT企業D社では今後、キー局Aグループやネットワーク系列局以外への展開に加え、放送業界特有の業務にきめ細かく対応した各種アプリケーションの開発も予定しています。

※記事内容は、取材当時のものです。​