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トコトン形を変える|三井金属のコア技術
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世界トップシェア技術の道のり

液晶などの透明導電膜形成に使われる「ITOターゲット」の高密度化、大型化

液晶、ハードディスク、センサー、半導体、光学材料……。これら商品には厚さ1μmにも満たない薄膜部品が使われていますが、スパッタリングによる薄膜形成が行われるとき、その母材となるのがスパッタリングターゲットです。スパッタリング成膜とは真空中でターゲットにアルゴンイオンをぶつけることによって叩き出された物質を、目的の基板に堆積させ薄膜を形成することです。
このスパッタリングターゲットで世界に知られるのが、三井金属です。とりわけ液晶モニター、液晶テレビに使われる液晶パネルの透明電極用「ITOターゲット」で世界シェア40%を誇ります。液晶テレビのマーケットが急拡大するに伴い、三井金属のターゲットも大きく伸びていきましたが、その背景にあったのが、お客様のニーズに対して、的確に応えていくことができた技術力があります。

ITOターゲットは、酸化インジウムと酸化スズの複合材です。当初求められてきたのは高密度化でした。密度を上げていくことで、スパッタリング中に表面に形成されるノジュール(異物)が減少し、欠陥の少ない薄膜が得られます。開発当初は70%程度だった密度は、今では100%近くになり、お客様のニーズである欠陥の少ない薄膜に貢献しています。
一方、テレビやモニターの大型化に伴い、次に求められるようになったのが高密度化と大型化の両立でした。ターゲットは液晶パネル用ガラスと同等のサイズが必要になります。しかし、ITOターゲットはセラミックス(焼き物)で、脆く割れやすいという特徴があるので、密度を上げると同時に、大型化していくというのは、難しい課題でした。
そのため、従来は製造可能なサイズのタイルを並べるという形で大型化に対応してきました。しかし、タイルとタイルの分割部からパーティクル(ゴミ)が発生し、ノージュールの原因となるのでお客様からは分割数をなるべく減らしたいという強いニーズがありました。そこで三井金属では高密度を保ちながら大型化を可能にする新しい製造方法の開発を始めました。
その取り組みは、原料の合成、成形、乾燥、焼成、加工など多岐の工程にわたりました。

  • 酸化インジウムと酸化スズの原料を均一に混合し、分散性の良い状態にする技術
  • 三井金属独自の「スリップキャスト法」(泥水鋳込み法)による成形技術
  • 成形体の乾燥方法や焼成技術

従来のやり方に縛られない、こうした新しい技術開発によって、高密度かつ大型のITOターゲットを製造することができるようになりました。パーティクルの発生源である分割部が減少し、お客様の歩留まり向上に寄与することができました。

使用効率をさらに高めていくための「円筒形ターゲット」を実現

従来のターゲットは平板形状が一般的であり、使用効率が低く交換頻度が多いという課題がありました。そのため、「円筒形ターゲット」による使用効率の高いスパッタリング装置が開発されました。
当社は社内で保有している技術の「CIP (等方静水圧プレス) 法」を応用することで、迅速に高品質な円筒形ターゲットを製造することに成功しました。また、円筒形ITOターゲットも高密度化や大型化というお客様のニーズに応えられるように取り組みを進めています。

ITO製造技術の酸化物半導体材料への展開。「IGZOターゲット」開発

ITOターゲットで培った製造技術は、IGZOターゲットへの展開へとつながっています。IGZOは酸化物半導体材料として、これまで液晶パネルで採用されていたアモルファスシリコン半導体と比較して移動度が100倍高くなり、OFF電流が小さくなるという利点があります。これによって液晶パネルの省エネだけでなく高輝度、高コントラスト、高画質の映像が得られます。このため、最近では多くの液晶パネルに採用されています。
このIGZOは酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛の性質の異なる3つの粉を均一に混合、成形、焼成しなければなりません。当社は、ITOターゲットの開発で培った高密度化や円筒成形の技術を応用することで様々なお客様のニーズに応えています。

「新規スパッタリングターゲット」の開発へ

スパッタリングターゲットは電気特性、光学特性、磁気特性、圧電特性など、多種多様な物性を持っています。またスパッタ装置に応じ、その大きさも様々です。三井金属ではお客様のニーズに合わせて、組成の調整、サイズ、形状のカスタマイズにお応えします。お気軽にご相談ください。

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