技術・適用情報

軽量コンクリート・軽量骨材

軽量コンクリートの耐久性

「軽量コンクリートは普通コンクリートに比べてひび割れが入りやすいとか、ひび割れ幅が大きい」と思われている方は以外に多いようです。しかし、それは本当でしょうか。図1のように、普通コンクリートと比較すると軽量コンクリートの乾燥収縮は100~200×10-6も小さいことが判ります。同様な試験結果は各方面から報告されています。

軽量コンクリートは、本当はひび割れにくいコンクリートです。

乾燥収縮試験結果

図1 乾燥収縮試験結果

コンクリートは元々、強アルカリ雰囲気のため内部の鉄筋が錆びることを防いでいますが、大気中の炭酸ガスと反応することで、表面から徐々に中性化します。中性化が鉄筋の位置まで進行すると内部の鉄筋が錆びやすくなるため、建物の耐久性が大きく低下します。
中性化は水セメント比(W/C)の影響が最も大きいといわれていますが、図2のように同一水セメント比の場合、軽量コンクリートは普通コンクリートに比べ、中性化の進行が遅いことがわかります。

軽量コンクリートは耐久性の高いコンクリートです。

促進中性化試験結果

図2 促進中性化試験結果

湿潤状態にあるコンクリートは凍結すると内部の水分が凍結膨張し、組織を破壊します。寒冷地では凍結と融解を繰り返すことで、コンクリートが劣化します。軽量骨材は内部に多くの水を抱えているため、耐凍害性が劣ると言われてきました。しかし、実際の環境に近い状態で試験を行った場合、図3のように問題ないことが判ります。(相対動弾性係数が60%を下回ると耐凍害性が劣ると言われています)

軽量コンクリートは耐凍害性能についても問題ありません。

凍結融解試験結果

図3 凍結融解試験結果

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